研究課題/領域番号 |
19K06925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
市川 量一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10223091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | プルキンエ細胞 / 樹状突起 / スパイン / シナプス / 平行線維 / 登上線維 / 小脳 / 分節化 / 代謝性グルタミン酸受容体 / ホメオスタシス / 分節化構造 / 除神経 / 再生 / シナプス構築 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞は、機能発現に依存した入力線維ごとに特異的なシナプス分布を示す、一方では、過度なシナプス入力の変化に対し出力を一定の範囲内に維持しようとする「ホメオスタシス」機能が発揮される。本研究では、小脳プルキンエ細胞を観察対象として取り上げ、その特徴的なシナプス構築の形成過程と修復再生過程における「ホメオスタシス」機能の影響を解明することを目的としている。具体的には、初期発生期ないしは成体にて入力線維に人為的に障害を加え、その後のシナプス構築形成過程あるいは修復課程において、プルキンエ細胞上で見られる残存した入力線維との間でのシナプス形成、およびスパイン形成の動態を解析することで評価する。
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研究実績の概要 |
成体マウスにて登上線維シナプスを消去させた後、細胞体ー樹状突起境界部から樹状突起先端までシナプス構築を探索したところ、平行線維シナプスが本来存在しない樹状突起近位部に形成され、全体として約20%平行線維シナプスが増加していた。その一方で、領域、密度の点で登上線維シナプスとほぼ一致する、シナプスを形成しないスパイン(nonsynaptic spine)が出現したいた。一方、発生期マウスにて、樹状突起に登上線維シナプスが形成し始める齢よりも若い段階で登上線維を消失させると、成体で登上線維を消失させた場合と同様に平行線維シナプスが本来存在しない樹状突起近位部に形成され、全体として約20%平行線維シナプスが増加していた。このことは、homeostatic plasticityが発生途上でおきる余剰シナプスの刈り込み作用(pruning)、を抑制したと考えられる。また、シナプスを形成しないnonsynapitc spineは、、対照樹状突起上の登上線維シナプスと同一の密度で樹状突起近位部では見られるが、成体での登上線維を欠落させた場合と異なり遠位部では見られない。代謝性グルタミン酸受容体1型の遺伝子欠損マウスなどにも同様の現象が見られたことを鑑み、遠位樹状突起に登上線維シナプスを形成するためには、登上線維の活動と代謝性グルタミン酸受容体1型以降の細胞内信号伝達系が必要であると考えられる。ただし、成体の結果から、一度形成された登上線維シナプスのシナプス後部は結合相手が登上線維に固定されるため、nonsynaptic spineとして残存したのではないかと類推された
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
教育などのエフォートがさらに増加したため、結果の評価、成果発表に著しく遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
結果の評価を進め、成果発表に全霊をつぎ込みたいと考えている。
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