研究課題/領域番号 |
19K06927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60291572)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / ペリニューロナルネット / コンドロイチン硫酸 / 運動ニューロン / セロトニン / 一次感覚神経 / パルブアルブミン / 神経再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ラット胸髄完全切断モデルにコンドロイチン硫酸分解酵素を投与した場合に認められる運動機能回復のメカニズムを、形態学的側面から解析しようとするものである。特に、損傷部より尾側の腰髄運動領域において、どのようなタイプのニューロンが脊髄下行路や一次感覚神経の投射を受けているのか、さらにペリニューロナルネットはどのように変化するのかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
ラット胸髄完全切断モデルで,損傷部を含む領域にコンドロイチン硫酸分解酵素(ChABC)を投与すると,セロトニン線維が損傷部を越えて切断部より尾側の脊髄運動領域に伸長し,体性運動ニューロンにシナプス性の終末を形成することを明らかにした。一方,生理食塩水を投与した対照群では,セロトニン線維の再生は認められず,その後の下肢運動機能回復はChABC投与群で有意に高い値を示した。このことから,ChABCはセロトニン線維の再生をもたらすことで,運動機能の回復を促進する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンドロイチン硫酸分解酵素は、脊髄損傷の治療に効果が期待される物質である。本研究では、胸髄を完全切断したモデルにおいても、投与法を工夫することにより、下肢の運動機能を著しく改善する効果があることを確認した。また、機能回復には、下行性投射路の損傷部位を超える再生と、下肢運動領域のニューロン群への投射が関わっていることが明らかになった。本研究は、脊髄損傷におけるコンドロイチン硫酸分解酵素による運動機能回復メカニズムを明らかしたものであり、コンドロイチン硫酸分解酵素を用いた治療法の開発に向けて重要な示唆を与えるものである。
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