研究課題/領域番号 |
19K06931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
榊原 伸一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70337369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニューロン / アクチン骨格 / 樹状突起スパイン / Pakファミリー / Inka2 / 細胞骨格 / アクチン / Pak4 / inka2 / アクチンフィラメント / 接着班 / 細胞移動 / PP2A / スパイン / 大脳皮質 / fmr1 |
研究開始時の研究の概要 |
正常な脳発達においてニューロンの樹状突起スパインの数や形態のコントロールは神経可 塑性の獲得・維持に重要であり,精神発達障害や幾つかの精神疾患ではスパイン密度の変化や異常な形態変化が起きる。inka2遺伝子は脳に強く発現し細胞骨格再編を通してニューロン突起形成を促進する。本研究ではinka2の発現の異常が、遺伝性の精神発達障害・自閉症である脆弱X症候群(FXS)の病態に関係する可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
哺乳類の脳では学習・記憶などの刺激頻度依存的に樹状突起スパインの消長が起こり,この変化が脳可塑性に重要と考えられている。Inka2は海馬や大脳皮質ニューロンに限局して発現し、アクチン骨格再編成を促進する活性がある。Inka2の生体機能を明らにするため、Inka2 KOマウスを作製解析した結果、大脳皮質ニューロンの樹状突起スパインの形態異常、密度の低下が出生後早期から見られた。生化学的な解析結果らInka2はRho GTPaseシグナルの主要なエフェクターであるPAK4に結合してそのキナーゼ活性を抑制することによりニューロンのアクチン骨格再編成とシナプス形成を制御することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経細胞の樹状突起スパインの適切な個数や形態は、Pakファミリーシグナルを介するアクチン細胞骨格のダイナミックな重合・脱重合制御により厳しく管理されている。この制御機構の破綻は、統合失調症や自閉スペクトラム症、アルツハイマー病などの種々の精神疾患や発達障害などの機序に深く関係する。しかしその制御機構には未解明な点が多い。本研究によりInka2が、脳内におけるPak4阻害因子であることが明らかとなった。今後Inka2が関与する疾患発症の原因解明やInka2によるPak4阻害をターゲットとする創薬開発へつながることが期待される。
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