研究課題/領域番号 |
19K06933
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
浅川 和秀 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 客員研究員 (30515664)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ALS / オートファジー / 運動ニューロン / ATP / 神経変性 / ALS脆弱性 / TDP-43 / ミトコンドリア / 細胞サイズ / オートファジー流動 / 選択的脆弱性 / tbk1 / 神経変性疾患 / ゼブラフィッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)には、運動ニューロンのみが特異的に変性し、感覚ニューロンや介在ニューロンは変性し難い、といった特徴的な変性の選択性がある。ニューロンに備わるこのようなALS脆弱性やALS耐性のメカニズムの多くが現在未解明である。本研究は、中枢神経系をリアルタイムに、かつ、サブセルラーの解像度で解析することが容易なゼブラフィッシュをモデルに用いて、主に、タンパク質分解に着目しながら、ALS脆弱性・ALS耐性を規定する分子生理的メカニズムを解明することを目指す。
|
研究成果の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの変性が原因で、全身の筋肉が衰える難病である。我々はゼブラフィッシュをモデルに用いて、ALS脆弱性が高いとされる細胞サイズが大きい運動ニューロンほど、オートファジー流動が亢進していることを見出していた。本研究では、大きい運動ニューロンほど細胞内ATPレベルが低下していることを見出した。また、オートファジー流動を阻害すると、細胞内ATPレベルは低下し、神経軸索の成長が阻害された。これらの結果から、細胞内のエネルギー供給において、オートファジー流動への依存度が大きい細胞ほど、ALSに対して脆弱である可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、脳が発する運動の指令を筋肉に伝達する神経細胞「運動ニューロン」が変性して失われ、全身の筋肉が衰える難病である。ALSの根本的な原因は未だ不明であるが、運動ニューロンの中でもとりわけ、サイズが大きい運動ニューロンほど、変性しやすいことが知られている。本研究によって、大きい運動ニューロンでは、「細胞のエネルギー通貨」ともよばれるATPが低下していて、なおかつ、細胞内のリサイクルシステム「オートファジー」が活発に働いていることをがわかった。細胞のエネルギーの産生をオートファジー流動に大きく依存している細胞ほど、ALSで失われやすい可能性が考えられた。
|