研究課題/領域番号 |
19K06939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
辻 隆宏 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40787389)
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研究分担者 |
辻 知陽 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 協力研究員 (00523490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バソプレシン / 網膜神経節細胞 / 視交叉上核 / 概日リズム / 社会的時差ぼけ / 睡眠障害 / 光同期 / 発達障害 / iDTR / adeno associated virus / 時差ぼけ / DREADD / AAV2 / 光療法 / 精神機能 / 自閉症 / 社会認識 |
研究開始時の研究の概要 |
時差ぼけは体内時計と外界の時計がずれることで起こるリズム障害である。バソプレシン(AVP)は時差ぼけからの再同期を阻害するが、AVPによる時差ぼけ制御機構は解明されていない。申請者は、AVPが内因性光感受性網膜神経節細胞に存在することを発見した。そこで、網膜特異的AVP変異マウスを作成し、その行動を解析する研究を計画した。本研究によりAVPによる時差ぼけからの概日リズム再同期の分子機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
網膜のバソプレシン(AVP)シグナルの生理的意義を解明するために、二つの方法により遺伝子改変モデルマウスを作成した。第一に、AVP細胞にCre recombinaseが発現するマウス(AVP-Cre)にアデノ随伴ウイルス(AAV)の硝子体内投与により網膜特異的にAVPシグナルを操作することを目指した。複数の候補ウイルスのうち、AAV2-CAGGS-Flex-EGFPが最も網膜によく感染するが、感染効率はせいぜい20%ぐらいであった。第二に、AVP特異的にジフテリア受容体を発現するマウスを作成した。このマウスの硝子体内にジフテリア毒素を注入したところ、ほとんどの網膜内AVP細胞が除去されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バソプレシン(AVP)は、網膜や嗅覚系などから脳内に幅広く発現する分子であり、体内の水分ホメオスタシスの維持から概日リズムや社会性などの行動にも関係する分子である。しかし、それら行動の分子機構については解明されていない。申請者の作成した、ジフテリア毒素注入による部位特異的AVP細胞除去システムは、効率的に部位特異的にAVP細胞を除去できる実験系である。この実験系による網膜AVPの生理的機能解明は、概日リズム障害の眼局所投与薬の開発につながることが期待される。さらに、部位特異的なAVP細胞除去によりAVPの多様な生理的役割の脳内分子機序解明にも応用することができる。
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