研究課題
基盤研究(C)
脳神経細胞の活動応答は、同一の感覚刺激に対しても試行毎にゆらぐ。このゆらぎは情報処理の効率を低下させる「ノイズ」だと想定されている。神経応答のゆらぎはどのように生じるているのだろうか?本研究では、マウスのヒゲ刺激に対して大脳皮質神経細胞が示す応答振幅のゆらぎが「ノイズ」ではなく、申請者が発見した視床網様核(TRN)の新規集団振動活動によって能動的に生み出されている可能性を検証する。
脳神経細胞の活動応答は、同一の感覚刺激に対しても試行毎にゆらぐ。このゆらぎは情報処理の効率を低下させる「ノイズ」だと想定されている。本研究では、マウスのヒゲ刺激に対して大脳皮質神経細胞が示す応答振幅のゆらぎが「ノイズ」ではなく、申請者が発見した視床網様核(TRN)の新規集団振動活動によって能動的に生み出されている可能性を検証した。申請者は「光ファイバー蛍光測定装置」を開発し、Ca2+感受性蛍光蛋白質がTRNに発現する遺伝子改変マウスへ適用した。その結果、TRNの低周波数振動活動は大脳皮質の特定部位の揺らぎ活動と相関していることを見つけた。
脳情報処理の効率を低下させると言われる神経活動応答のゆらぎを、実は脳がTRNを介して積極的に作り出しているとの仮説検証に取り組んだ。得られた結果は仮説を支持するものであり、ゆらぎを能動的に活用する新しい情報処理機構を示唆して脳理論研究への波及効果を期待できる。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 5件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件)
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