研究課題/領域番号 |
19K06957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
松本 英之 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50511383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 神経回路 / ドーパミン / モチベーション / 電気生理学 / 光遺伝学 / 齧歯類 / 適応 / 報酬系 / 神経細胞 / 適応行動 / システム神経科学 / 遺伝子改変動物 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
環境に応じて柔軟に選択行動を変え、活力・意欲を増減させる能力は、生物の生存に必須である。本研究では、中脳ドーパミン神経細胞の軸索に光感受性のオプシンを発現させ、光を使ってドーパミン神経軸索の活動を局所的に操作する。同時に、多点同時記録法によりドーパミン細胞の起始核から単一ニューロン活動を大規模計測する。この技術を、報酬環境に応じて選択行動と運動開始の行動を柔軟に変化させる動物に適用する。これによって、課題遂行中のドーパミン細胞の活動を投射先別に同定し、さらにその活動を人為的に操作して柔軟な行動への影響を調べる。
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研究成果の概要 |
生物は環境との相互作用を通して行動を適応させる。申請者らのこれまでの研究から、中脳ドーパミン細胞が環境の状態に応じて信号モードを修飾させることがわかってきている。本研究では、適応行動を制御するドーパミン信号の実態を解明することを目的とした。動物が環境に適応する過程を繰り返し調べることができる行動課題を考案した。この課題において動物は試行錯誤を通してより多くの報酬を得るための適応行動を示した。次に、細胞外神経活動計測と光遺伝学を組み合わせ、個々のドーパミン細胞の応答や投射先別のドーパミン信号を計測する技術を開発した。その結果、環境適応におけるドーパミン信号の多様性と投射回路との対応を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドーパミンは多様な脳機能に関連する。しかし、中脳ドーパミン系がどのようなメカニズムによって多様な脳機能を適切に制御しているかはあまり明らかではなかった。本研究では、細胞外神経活動計測技術と光遺伝学を組み合わせ、単一細胞レベルの、投射回路別のドーパミン信号を高時間分解能で計測する技術を開発した。さらに、この計測技術を自由行動中の動物に適用し、環境適応におけるドーパミン信号のダイナミクスを詳細に検討する実験系を確立した。本研究により、適応行動におけるドーパミン系の情報処理メカニズムの一端を明らかにした。環境適応における脳の動作原理の理解につながると期待される。
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