研究課題/領域番号 |
19K06960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
梶村 眞弓 慶應義塾大学, 医学部(日吉), 教授 (10327497)
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研究分担者 |
菱木 貴子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10338022)
久保 亜紀子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50455573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 分子状水素 / 脳虚血 / エネルギー代謝 / Neurovascular unit / 質量分析イメージング / Neurovascular coupling / stroke / metabolism / molecular hydrogen / microcirculation / cerebral ischemia |
研究開始時の研究の概要 |
“Time is brain”の言葉が示す通り、脳梗塞は可能な限り早期の治療開始が原則であるが、脳梗塞の治療法は少なく、治療の開始が間に合わなかったり、神経症状が増悪することが多々ある。マウスの脳梗塞モデルにおいて、水素ガスの吸入により神経機能障害が改善されることが示された10年を経た。しかしその効果のメカニズムが未解明であるため臨床応用が遅れている。そこで本研究は、脳虚血病態における水素ガスの標的分子・受容機構を探究し、エネルギー代謝の代償機転の分子機構を解明することを目的とする。「水素吸入がなぜ効くのか」の分子基盤を徹底的に解析することにより、臨床医学研究への橋渡しを目指す。
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研究成果の概要 |
水素ガス(H2)吸入は脳虚血時に神経保護作用を発揮することが知られているが, その機序は未解明である。本研究はH2によるエネルギー代謝の代償機転の機序を解明することを目的とした。H2で特異的に作動する受容体を洗い出すため, 脳梗塞モデルマウス実験系を用いメタボローム解析を行った。虚血によって亢進するプリン体の分解が, H2投与により抑制された。またクエン酸回路のメンバーであるコハク酸の集積が減少することが判明した。これらの結果は, H2が虚血再灌流後のsuperoxide generationを抑制する可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞は可能な限り早期の治療開始が原則であるが, 治療法は少なく, 治療の開始が間に合わず神経症状が増悪することが多々ある。そのために入院期間やリハビリ加療が長期化することになり, 今後の高齢化社会に伴って医療経済を圧迫する可能性が大きい。水素吸入療法は, 従来型のtPAによる血栓溶解療法に比べ, 経済的にも技術的にも有利である。水素は分子量2とすべての分子の中で最小であり, 拡散によって虚血巣へも容易に到達できることから, drug deliveryの観点において, tPA静注など血流依存性薬剤の追随を許さない。救急車内での治療の早期化が実現でき, 予後の改善に直結するものと期待する。
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