研究課題/領域番号 |
19K06966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
塚本 裕一 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (70323037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アレン / 軸不斉 / 中心不斉 / 共役エンイン / プロ求核剤 / ヒドロアルキル化 / パラジウム触媒 / アリールボロン酸 / ヒドロアリール化 / 1,3-アルカジエン / 光学活性アレン / ヒドロアルキル化反応 / パラジウム |
研究開始時の研究の概要 |
特異な反応性を持つ有用な合成中間体であるアレンの触媒的不斉合成法として、0価パラジウム触媒を用いた共役エンインに対するプロ求核剤(H-Nu)の1,4-付加反応を開発する。本反応は一切の副生成物を生じないため原子効率に優れており、基質は薗頭反応によって1工程で調製できる。末端アルケンまたは末端アルキンを共役エンインとして用いることで、軸不斉および隣接した中心不斉をもつ光学活性アレンを得る。さらに、本反応の構成要素となるヒドロパラデーション、生じるexo-アルキリデン-π-アリルパラジウム中間体に対する求核置換反応の立体選択性を明らかとし、計算化学的手法を用いてその妥当性について検証する。
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研究成果の概要 |
特異な反応性をもつ有用な合成中間体であるアレンの触媒的不斉合成法として、0価パラジウム触媒を用いた共役エンインに対するプロ求核剤(H-Nu)の1,4-付加反応を開発した。これまでに、ビニル基で置換された内部アルキンおよびエチニル基で置換された内部アルケンを、軸不斉または隣接した中心不斉をもつ光学活性アレンへと変換することに成功している。ビニル基末端の水素の一つを重水素標識した内部アルキンのヒドロアルキル化反応により、前者の基質についてはシン付加が進行し、反応中間体がアンチ選択的なヒドロパラデーションにより生じていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したアレンの不斉合成法は、一切の副生成物を生じず、原子効率に優れている点で学術的な意義をもつ。関連する反応として、パラジウム触媒を用いた共役エンインのヒドロホウ素化およびヒドロシリル化による軸不斉アレンの合成法が報告されているが、ヒドロパラデーションの位置選択性が本研究のものとは異なる。創薬研究において、不斉点を持ち、立体配座の自由度を制限した複素環化合物は有用なビルディングブロックであるものの、その入手は必ずしも容易ではない。本研究により得られた多様な官能基を含む光学活性アレン類は、各種環化反応を用いることで、所望の複素環化合物へと容易に変換することができる。
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