研究課題/領域番号 |
19K06969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2021-2022) 千葉大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
小暮 紀行 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (80396689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アルカロイド / 有機分子触媒 / 不斉全合成 / マイケル付加 / エナミン / ピペリジン / 効率的不斉全合成 |
研究開始時の研究の概要 |
有機合成化学において、全てが炭素に結合した不斉第四級炭素の構築は非常に難しい課題であり、現在でも世界中の多くの有機化学者が研究対象としているテーマである。また有機分子触媒は、金属を含まず、安定・安価で環境にも優しいことから近年非常に注目を集めている。 本研究では、有機分子触媒を用いた、新しいタイプの不斉第四級炭素の立体選択的構築法を確立することにより、新薬の候補化合物の効率的な合成に貢献することを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は有機分子触媒を用いたエナミン(3-ethyl-2,3-dehydropiperidine)のアクロレインへの不斉マイケル反応により、4級不斉中心をもつ3,3-二置換ピぺリジン骨格を立体選択的に構築する反応を開発した。アクロレインがその毒性により販売中止となったが、代替品としてアクロレインジメチルアセタールを用いても同等の反応が進行する条件を確立した。本不斉反応で得られる二環性鍵中間体より、いくつかの天然物(ビンカミン、ロイコミジンA, C)の効率的全合成を達成した。今後、さらなる新規アルカロイドの効率的全合成を達成する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が確立した有機分子触媒を用いたエナミンのアクロレイン誘導体への不斉マイケル反応は、優に50を超えるモノテルペノイドインドールアルカロイドの効率的全合成に利用可能である。モノテルペノイドインドールアルカロイドは非常に複雑な構造と強力な生物活性をもち、医薬品として利用されている化合物も多いことから、本研究が新規創薬シード分子の探索に大きく貢献できると考えている。本反応は触媒量(3%程度)の有機分子触媒で反応が進行することから環境負荷が小さく、高度な手技を必要とせず汎用性・再現性が高いことからも、学術的意義は非常に大きいと言える。
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