研究課題/領域番号 |
19K06983
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
坂井 健男 名城大学, 薬学部, 准教授 (90583873)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | イオン / イオン対抽出 / テトラシアノシクロペンタジエニド / 付加反応 / 転位反応 / カスケード反応 / TCCP塩 / 全合成 / cephalotaxine / 不斉転写 / TCCPアニオン / N-ビニルアンモニウム / 第4級アンモニウム |
研究開始時の研究の概要 |
イオン性有機化合物は取り扱いが難しく、有機合成化学的な研究が未開拓であるため、多くの有用化合物が眠っている潜在性のある研究領域である。本研究では、1)テトラシアノシクロペンタジエニド類(TCCP類)を用いたカチオン性有機化合物の簡便な新規分離精製法(TCCP法)の確立を目指す。さらに、2)開発した分離精製法を、カチオン性有機化合物の新規反応開拓へと応用する。具体的には、ビニルアンモニウムへの求核付加反応を検討し、同種の新たなマイケル型受容体としての地位確立を目指すと同時に、より複雑なカチオン性有機化合物の精密有機合成の土台となる知見・技術を蓄えることをめざす。
|
研究成果の概要 |
テトラシアノシクロペンタジエニド塩を用いたイオン抽出法(TCCPイオン対抽出法)の研究を実施し、抽出効率を予測する簡便な数式を確立した。また、TCCPイオン対抽出法の応用として、N-ビニルピリジニウムへの付加反応の開拓を行い、良好な収率で、ビニル基への付加反応が進行することを見出した。複雑なスピロ第4級ビニルアンモニウム塩のジアステレオ選択的合成への応用にも活用し、続く3-aza-Cope-Mannichカスケードにより光学活性な3環性化合物を得ることにも成功した。また、同カスケード反応が切っ掛けとなって開始した、3連続カスケード反応を用いたcepalotaxineの全合成も達成した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン性有機化合物は、極性の高さからくる取り扱いにくさなどが問題になり、合成が難しい化合物群である。特に、結晶化しないイオン化合物の分離精製は容易ではなく、そのため、多くの有用化合物が研究すらされないまま眠っている可能性がある。本研究は、このイオン性有機化合物の取り扱いに大きな進展をもたらしたと言う意味での学術的意義を持つ。また、将来的には、今回実施したTCCPイオン対抽出法を用いて、有用なイオン性有機化合物の研究を発展させることで、社会還元にも繋がると期待している。
|