研究課題/領域番号 |
19K06986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
杉浦 正晴 崇城大学, 薬学部, 教授 (00376592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ホスホリル化反応 / リン酸化反応 / 金属触媒 / リン酸エステル / 有機触媒 / 触媒的合成 / リン酸化剤 / 位置選択性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数のヒドロキシ基をもつ反応基質の特定のヒドロキシ基のみをリン酸エステル化することのできるリン酸エステル合成法の開発を目指す。まず触媒的活性化を可能にするリン酸化剤を探索し、それを用いて反応位置の制御を可能にする触媒を開発する。また、不斉触媒的リン酸化に展開することで、フィンゴリモド-リン酸やイノシト ール-1-リン酸等の短工程不斉合成を目指す。
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研究実績の概要 |
リン酸エステルは、生体内物質や医薬分子にも含まれる重要分子であるが、複数のヒドロキシ基をもつ反応基質の特定のヒドロキシ基のみをリン酸化してリン酸エステルを合成することは、現代の有機合成化学においても難しい課題であり、汎用的手法は確立されていない。そこで本研究では、ピリジルエステルを用いるジオール類の触媒的モノアシル化反応の開発を契機として、アシル化反応からより難しいホスホリル化(リン酸化)反応へと展開し、「リン酸化剤の触媒的活性化に基づくリン酸エステル合成法の開発」することを3年計画で目指している。1年目の2019年度は、ホスホリル化剤としてのピリジルホスファートやピロホスファートを活性化できる金属塩を探索したところ、種々の第4周期遷移金属の塩によって活性化できることを見出した。2年目となる本年度は以下の成果を得た。 (1)2位置換1,3-ジオールの触媒的不斉モノホスホリル化(非対称化)反応を、第4周期遷移金属塩と様々な不斉配位子を組み合わせることによって検討したところ、有意な選択性を与える不斉配位子を見出すことができた。現在、反応条件と配位子構造の最適化を図っている。 (2)反応系中で調製した塩化ホスホリルを用いることで、2-カルボキシフェニルボロン酸を触媒とするジオールもしくはトリオールのモノホスホリル化反応が可能であることを見出した。現在、ホウ素触媒の活性向上とその特徴の探索を行なっている。 (3)上述のホウ素触媒の開発と関連して、ヒドロキシカルボン酸によるボロン酸の活性化を検討しており、モノアシル酒石酸が、ウレア助触媒との組み合わせによって、高活性な不斉有機触媒となることを見出した。 (4)アシル化とホスホリル化との類比から、チオエステルやチオホスファートに興味を持って検討しており、その一端として不飽和チオエステルの新しい合成法を開発することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金属触媒との組み合わせに有効な不斉配位子を見出し、触媒的不斉モノホスホリル化反応の開発の端緒を得ることができたため。また、ホウ素触媒によるホスホルリ化にも展開できたため。
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今後の研究の推進方策 |
不斉金属触媒系およびホウ素触媒系による選択的モノホスホリル化反応のさらなる最適化により実用化を図る。
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