研究課題/領域番号 |
19K06988
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
薬師寺 文華 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (40548476)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ケミカルエピジェネティクス / ヒストンメチル化 / ドライバー遺伝子変異 / アミノ酸残基選択的化学修飾 / エピゲノム創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
ガン細胞におけるドライバー遺伝子変異の同定、続くエピゲノム創薬への展開は先制医療の実現を視野に入れた次世代ガン治療薬分野において大きく注目されている。しかしながら、個々のドライバー遺伝子変異に対する有効な治療法は確立されておらず、今後の継続的な研究が期待されている。申請者は小児脳幹グリオーマのドライバー遺伝子変異であるヒストン H3K27M に着目し、H3K27 メチル化正常化を成すモジュレータ、即ち 1) メチオニンの化学修飾によるヒストン H3K27M 機能阻害剤、2) PRC2 活性促進剤、を創製することで最悪性型グリオーマの化合物によるエピジェネティクス制御を目指すこととした。
|
研究成果の概要 |
ヒストン H3 27 番目のリシン残基がメチオニン残基へと変異した小児脳幹グリオーマのドライバー遺伝子変異に着目し、化合物を用いたヒストンメチル化制御について検討を行った。本ドライバー遺伝子変異では、ゲノム全体の H3K27 メチル化レベルの減少が報告されていることから、H3K27 メチル化酵素 ポリコーム抑制複合体2 (PRC2) 活性促進剤の創製を試み、有効な活性化作用を有する環状ペプチド誘導体を見出すことができた。さらに、変異により導入されたメチオニン残基選択的な化学修飾を検討することで、メチオニン修飾体が PRC2 機能制御に寄与することを確認することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガンにおけるドライバー遺伝子変異が種々見出されているものの、個々の変異に対応した制御方法の開発が求められている。今回、ヒストン H3 27 番目のリシン残基がメチオニン残基へと変異した小児脳幹グリオーマに着目し、化合物によるエピジェネティクス制御を試みた。ヒストン H3K27 をメチル化するポリコーム抑制複合体2(PRC2)活性促進剤の創製、およびメチオニン残基選択的な化学修飾を基盤とした PRC2 メチル化制御について検討を行い、それぞれ所望の活性を有する誘導体を見出すことができた。本成果は、H3K27メチル化の新たな制御戦略として検討を重ねることが期待される。
|