研究課題/領域番号 |
19K07004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
川原 浩一 新潟薬科大学, 薬学部, 准教授 (10347015)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アルツハイマー病モデルマウス / 1型ミクログリア / オリゴマー状Aβ / 9F5抗体 / スカベンジャー受容体 / Gpnmb欠損マウス / Truncated GPNMB / 125I標識オリゴマー状Aβ / truncated GPNMB / scavenger receptor / type 1 microglia / 9F5 antibody / 神経変性疾患特異的ミクログリア / GPNMB / レチノイド受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
最近欧米のグループは、AD病態の進行に伴い、老人斑周囲に出現する新規のMGサブタイプを同定し 、そのマーカー遺伝子としてGpnmbを同定した。この神経変性疾患特異的MGと申請者がこれまでに見出した1型MGは、類似性がある、もしくは同一の細胞であると考えられる。しかしながら、このMG亜種がAD病態に寄与するか、創薬の標的細胞となりうるかは分かっていない。この状況をふまえ、本研究課題の核心をなす問いは、1型(神経変性疾患特異的)MGがADの治療標的となりうるかである。本研究では、Aβプラーク周囲の1型MGに発現する2つの機能分子(GPNMB, レチノイド受容体)に注目し、上記問いを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、神経変性疾患特異的1型ミクログリア (Gpnmb陽性1型MG) を標的としたアルツハイマー病治療法の開発に関する研究を行なった。9月齢のアルツハイマー病モデルマウスの記憶障害は、Gpnmb遺伝子が半減すると改善したが、Gpnmbが完全に欠損すると逆に悪化した。In vitroの実験系において、1型MGによるオリゴマー状アミロイドβ (o-Aβ) のクリアランス活性は、9F5抗体により競合的に抑制された。この結果は、9F5抗原(truncated GPNMB)がo-Aβの新規スカベンジャー受容体として機能することを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における重要な成果として、1型ミクログリアに発現する9F5抗原(truncated GPNMB)は、オリゴマー状アミロイドβのスカベンジャー受容体であるという新規仮説を提示することができた。この成果は、オリゴマー状アミロイドβやGPNMBが関わる難治性疾患の病態の解明、並びに治療薬の開発など、今後の応用研究につながりうる重要な知見であると考えられる。
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