研究課題/領域番号 |
19K07008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
住吉 孝明 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50738911)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HDAC6阻害剤 / 構造活性相関 / 脳移行性 / 抗うつ薬 / 創薬化学 / 中枢移行性 / HDAC阻害剤 / 代謝安定性 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / 血液脳関門 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アルツハイマー病などの神経変性疾患に関与するとされる、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の創出を目的とする。しかしながら、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤はヒドロキサム酸などの極性基が必須であるために中枢移行性が低く、中枢薬として承認されたものは存在しない。そこで、従来の化合物の脂溶性を高める戦略と異なるアプローチとして、多くの中枢薬の脳内への取り込みに関与するとされるタンパクに認識される部分構造を導入することを考案し、脳内への移行性が高く、中枢性疾患治療薬になりうる新規ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤阻害剤を見出すことを目指す。
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研究成果の概要 |
中枢性ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤は、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患やうつ病などの精神疾患の新規作用機序に基づく治療薬として期待されている。しかしながら、既知のHDAC阻害剤の多くは中枢移行性が低く、精神神経疾患治療薬として承認されたHDAC阻害剤は現状存在しない。HDAC阻害剤の低い中枢移行性を向上させるため、一般的に中枢移行性が高いヒスタミン受容体拮抗薬の構造を導入した化合物の設計・合成・評価を行った。その結果、高い阻害活性と中枢移行性を併せもつHDAC阻害剤を見出した。特にKH-259はマウス尾懸垂試験で高い抗うつ活性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病などの精神疾患は現在の治療薬を用いて完全寛解させることは困難であり、新規作用機序を有する治療薬の開発が望まれている。活性発現に極性基が必須であるため脳移行性が確保できていない創薬標的は複数存在しており、極性基を保持しつつ脳移行性を向上させる手法が確立されれば新規精神疾患治療薬の効率的創出につながる。本研究では、脳移行性が高い抗ヒスタミン薬の構造とのハイブリッドにより、高い脳移行性と抗うつ活性を示すHDAC6阻害剤KH-259を見出した。KH-259は新規作用機序に基づく抗うつ薬になることが期待される。また本手法は脳移行性に課題がある創薬標的の創薬への応用が期待できる。
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