研究課題/領域番号 |
19K07019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
佐久間 信至 摂南大学, 薬学部, 教授 (80388644)
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研究分担者 |
伴野 拓巳 摂南大学, 薬学部, 助教 (30824685)
鵜川 真実 摂南大学, 薬学部, 助教 (50735511)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム / 吸収促進 / 経粘膜吸収促進 / バイオ医薬 / タンパク質医薬 / 膜透過ペプチド / 膜透過ペプチド固定化高分子 / ヒアルロン酸 / タンパク質 / オリゴアルギニン固定化ヒアルロン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
膜透過ペプチドのテトラグリシン-L-オクタアルギニンを生体由来のヒアルロン酸に固定化した本生分解性高分子は、安全性に優れ、分子量数千~数万の酸性及び塩基性タンパク質医薬の経鼻吸収を改善することが既に確認されている。本研究では、同ヒアルロン酸誘導体の投与ルートや化学構造の最適化を通して、タンパク質医薬の経粘膜投与時の吸収を飛躍的に改善するとともに、オリゴアルギニン固定化ヒアルロン酸によるタンパク質医薬の吸収促進機構を解明する。本吸収促進技術の臨床応用の可能性を見極め、医師の管理下で使用される注射剤ではなく、患者による投薬管理が可能で患者にやさしいタンパク質医薬の非侵襲的投与製剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
タンパク質医薬の経粘膜吸収促進剤としてのテトラグリシン-L-オリゴアルギニン固定化ヒアルロン酸の有用性を検討した。分子量約4.2 kDaのエキセンジン-4は、同ヒアルロン酸誘導体と肺に共投与したとき、完全に吸収された。同ヒアルロン酸誘導体の吸収促進能はタンパク質医薬の分子量に影響されなかったものの、肺からのタンパク質医薬の吸収性が分子量の増加とともに低下したため、分子量約22.1 kDaのソマトロピンのバイオアベイラビリティ(BA)は、同ヒアルロン酸誘導体の肺への共投与下、平均で46%であった。BAの目標値を50%とした本研究を通して、臨床応用に向けた同ヒアルロン酸誘導体の有用性は実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分子量のタンパク質医薬は、粘膜を透過できず、ほとんどが注射剤として開発される。医師による注射剤の投薬管理は、薬物療法の確実性で利点がある一方、タンパク質医薬自体の高コストと相まって医療費を引き上げる要因となる。注射器の進歩による痛みの軽減等、注射剤に対する患者のコンプライアンスは改善されているが、注射剤だけでは、継続的な治療に対する患者のアドヒアランスは低下し、新型コロナウイルス感染症で顕在化したパンデミック時の治療提供のスピードと範囲に限界が生じる。その解決策は、患者による投薬管理が可能な製剤の開発であり、タンパク質医薬の経粘膜デリバリー技術の開発は喫緊の課題である。
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