研究課題/領域番号 |
19K07022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
萩中 淳 武庫川女子大学, バイオサイエンス研究所, 教授 (20164759)
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研究分担者 |
西村 奏咲 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (60582666)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 分子インプリントポリマー / 分子認識 / 分析科学 / 薬学 |
研究開始時の研究の概要 |
分子インプリント法は、鋳型分子に対する特異的認識部位あるいは群特異的認識部位を得る方法であり、対象物質の特異的あるいは群特異的認識に利用されている。分子インプリントポリマー (MIP) は人工抗体とも呼ばれ、鋳型分子(抗体では抗原)に対して最も高い分子認識能を与えるというのが定説であった。「置換体鋳型分子を用いて調製したMIPが、鋳型分子を用いて調製したMIPより、鋳型分子に対して高い分子認識能を与えるという」発見は、MIPにおける定説を覆すものであり、その分子認識機構の解明が待たれるとともに、MIPの分析化学的応用およびMIP調製における新たな展開が期待される。
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研究成果の概要 |
プロマジン、ワルファリン、カルバマゼピンおよびビスフェノールA置換体に対する分子インプリントポリマー (MIP) を調製し、これらの MIP における保持および分子認識機構を、液体クロマトグラフィー、NMRおよび計算化学的手法により検討した。その結果、それぞれの置換体に対するMIPは、もとの化合物に対するMIPより、大きな保持能と分子認識能を与えることを見出した。特に、ハロゲン置換体において置換基効果は大きかった。MIPにおける保持および分子認識には、イオン相互作用、水素結合、CH/π相互作用、π-π相互作用、ハロゲン結合などの相互作用が働いていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品およびその代謝物の生体試料分析において、特異的あるいは群特異的分離剤あるいは固相抽出用基材としてMIPが用いられていたが、調製の際に用いる鋳型分子の漏出が問題となっていた。しかし、それぞれの置換体に対するMIPを調製することにより、漏出の問題、分子認識能の問題を解決することができた。また、置換体に対するMIPにおける保持および分子認識機構を明らかにすることにより、新たなMIP調製の戦略を拓くことが可能となった。さらに、CH/π 相互作用、ハロゲン結合などの弱い相互作用を用いる分離剤あるいは固相抽出用基材の開発に繋がることが期待される。
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