研究課題/領域番号 |
19K07023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
竹下 啓蔵 崇城大学, 薬学部, 特任教授 (70175438)
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研究分担者 |
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
太田 悠平 崇城大学, 薬学部, 助教 (70881407)
岡崎 祥子 崇城大学, 薬学部, 准教授 (40435152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マトリックスメタロプロテアーゼ / がん / 電子スピン共鳴 / スピンラベル / 腫瘍 / 酸素分圧 / ESR / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
がんの悪性度評価と治療法選択のため、がんの間質領域に送達され、そこで電子スピン共鳴(ESR)法のスペクトル変化から酸素分圧とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性についての情報を提供するプローブを、安定ラジカルを用いて開発し、併せてその情報発信源を磁気共鳴画像化法(MRI)で確認できるシステムを構築する。本研究は、安定ラジカルのESRシグナルが、酸素分圧やラジカル部分の分子運動に応じて変化することを利用する。
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研究実績の概要 |
前年度、反応前のニトロキシルラジカル(SL)のESRシグナルのブロード化を検討するため、MMP基質ペプチドPVGLIGとポリエーテルアミン(Jeffamine)の間にCys残基を入れて架橋剤N-succinimidyl 3-maleimidopropionate を介してタンパク質のアミノ基へ直接結合させた。しかし、結合させるタンパク質にウシ血清アルブミン(分子量66000)、チログロビン(MW660000)のいずれを用いてもシグナルのブロード化は達成できず、MMP-2による切断実験でも高々2倍程度のシグナル増加しか見られなかった。そこで、次のようにタンパク質への結合に加えて常磁性物質Gd(III)を導入して、ブロード化を図った。 PVGLIGとポリエーテルアミンの間にCys残基を入れたペプチ(SL-PVGLIGC-Jeffamine)に、N-succinimidyl 3-maleimidopropionate を用いてヒト血清アルブミン(HSA)に結合させた。これにdiethylenetriamine-N,N.N’,N”,N”-pentaacetic acid(DTPA)無水物を反応させてJeffamineのアミノ基にDTPAを結合させ、さらにガドリニウム(Gd(III))をキレートさせて、新たなMMP検出プローブを合成した。このプローブのSL含量をESRで、Gd(III)導入量をMRIでそれぞれ定量したところ、SL/HSAモル比は1.5、Gd(III)/SL モル比は0.11であり、水溶液では依然シグナルがシャープであった。しかし、MMP-2と反応させたところ、120分のインキュベーションでESRシグナルが反応前の約5倍にMMP-2未添加の場合と比較して約2.5倍に増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度にマトリックスメタロプロテアーゼ活性評価プローブの検討に時間を要したこと、新型コロナウイルス感染症の拡大で思うように実験ができなかったことに加え、MMPによる切断前のシグナルを十分ブロード化するのに検討を要していることにより、全体的に予定がずれ込んだ。
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今後の研究の推進方策 |
当初、細胞系、動物系へと実験を進める計画であったが、それにはMMPによる切断前のESRシグナルをよりブロード化することが必要であり、またブロード化を研究期間内にこれ以上達成させることは難しいと判断される。そこで、in vivoでの実験を行うのに必要となるニトロキシルラジカルの安定性および高分子プローブの腫瘍への集積のされ方について、基礎的知見を得、今後の研究に繋げる。
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