研究課題
基盤研究(C)
本研究では、独自に開発したシアル酸結合様式特異的アルキルアミド化法と質量分析法を組み合わせ、生物学的に異なる役割を果たしているシアル酸の結合様式まで区別することができる新規シアリル化糖鎖・糖ペプチド解析法の開発を目的とする。また、確立した分析手法をヒト血漿タンパク質の糖鎖・糖ペプチド解析に応用し、加齢に伴う糖鎖構造変化を明らかにする。
本研究課題により,シアル酸結合様式まで容易に区別することができる糖鎖・糖ペプチド解析法を開発し,ヒト血漿タンパク質のN型糖鎖解析および網羅的なN型糖ペプチド解析に応用した.ヒト健康長寿モデルとされる105歳以上の超百寿者群と90歳,80歳,70歳群の血漿検体を用いて比較解析し,alpha1-acid glycoprotein 1に由来する糖ペプチドが超百寿者群において特徴的であることを明らかにした.このような糖鎖構造変化がヒトの健康長寿の要因の一つである可能性が示唆された.
本研究課題により開発された解析法を用いることにより,これまではLC分離や標準品入手が困難で解析不可能であった高分岐かつ高シアリル化糖鎖や糖ペプチドの結合様式の違いを容易に区別できる.それにより,より詳細なグライコミクスやグライコプロテオミクス研究の推進や疾患バイオマーカーの探索研究への貢献が期待できる.
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生化学
巻: 92 号: 3 ページ: 343-348
10.14952/SEIKAGAKU.2020.920343
Analytical Chemistry
巻: 91 号: 21 ページ: 13343-13348
10.1021/acs.analchem.9b03617