研究課題/領域番号 |
19K07036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
中原 広道 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (00513235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺サーファクタント / 呼吸窮迫症候群 / 部分フッ素化合物 / 界面化学 / 生物物理化学 / ナノ機能材料 / ナノ医薬 / 複合材料 / フッ素化合物 / 物理薬剤学 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者等は動物由来型肺サーファクタント(LS)に替わる安全・安価で且つ効果的な人工調製型LSの開発研究に着手している。呼吸窮迫症候群(RDS)は、LSの欠如や機能不全が原因で発症するが、牛肺由来のLSにより劇的に改善される。しかしながら、動物肺由来型LSは非常に高価であり、またアレルギーや感染症の原因となる可能性及び新生児RDS以外に保険診療ができない等の制限が多い。本研究では①呼吸運動に伴う膜分子の排除メカニズムの解明、②多岐に亘る呼吸器疾患への適用拡大に向けた超低価格化、③表面ミセル現象を応用した革新的フッ素・ハイブリッド型LSへの挑戦を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、肺サーファクタントを利用したDDSの基盤研究を行い、以下の成果を得た。①ジェミニ型rTzを用いて、DDSに有用な相互作用を示す可能性があることが示唆された。②ジェミニ型界面活性剤を使用し、疎水性薬物モデル化合物の可溶化現象を調べ、被可溶化物が界面活性剤ミセルの極性領域に濃縮する可能性が示唆された。③IEDDA反応を空気/水界面で解明し、生体内でのイメージング・センシングに応用されることが期待される。④水と空気の境界面を数値モデル化し、表面電位データの解析を可能にし、肺胞表面におけるイオンの遷移のメカニズム解明にも貢献する成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工調製型肺サーファクタント(LS)は、呼吸窮迫症候群だけでなく、肺ガンやSARS、COPDの緩和にも期待されます。動物由来型に比べて研究は遅れていますが、LSの作用メカニズムの解明により、安全性や薬効面に優れた代替RDS治療薬の開発が期待されます。また、フッ素化合物をLS添加物として応用することにより、LS成分や異物の除去、肺胞表面のガス交換負担の軽減が期待されます。さらに、革新的なフッ素・ハイブリッド型LSや人工調製型LSの低価格化が実現すれば、呼吸器症状の即時緩和に貢献し、世界各国の医療費負担の軽減や社会的問題の解消につながると期待されます。
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