研究課題/領域番号 |
19K07038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
岩田 祐子 科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (20356190)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | methamphetamine / pseudoephedrine / 安定同位体比 / δ値 / 反応液 / 覚醒剤 / 覚醒剤原料 |
研究開始時の研究の概要 |
日本で最も乱用者の多いMAは、海外で密造されて密輸入されてきたが、インターネット経由で情報を得ることが容易になったことを背景に、最近では国内でも密造され結晶化する前の反応液が押収される例が散見される。 一方、物質の安定同位体比(元素の安定同位体の量比)はその起源や移動・反応プロセス等により変動することが知られている。 そこで、前述のような国内の密造事案を念頭に、押収された反応液中の生成物と原料の関連性について言及し、MA密造の証拠とすることを目指して、安定同位体比δ値を指標として覚醒剤合成における原料と反応液中の生成物の関連性の評価を行う。
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研究実績の概要 |
覚醒剤methamphetamine(MA)密造事案に関連して、押収された反応液中の生成物と原料の関連性について言及し、MA密造の証拠とすることを目指して、安定同位体比の値(δ値)を指標として覚醒剤合成における原料と反応液中の生成物の関連性の評価を行うことを目的としている。具体的には、実際に覚醒剤MAの合成を行い、「反応液中の生成物のδ値」、「反応液中に残存している原料のδ値」、「反応液中の副生成物のδ値」、「反応液中の生成物の量」、「反応液中の原料の残存量」、「反応液中の副生成物の量」及び「反応前の原料のδ値」を分析し、これらの相関を明らかにする。また、この目的を達成するため、反応混合 液中の各化合物のδ値の分析法と定量分析法を確立する。 測定用woriking standardの見直し作業を行い、δ値の測定を行った。引き続き、MA HClおよびその原料であるpseudoephedrine HClを、同位体分別の無い方法で、遊離塩基の形にする試料調製法を確立し、試料をガスクロマトグラフ(GC)-IRMSで分析する条件について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
その他の業務に時間を圧迫されたため。
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今後の研究の推進方策 |
N-benzoyl-Nmethyl-1-(1,4-cyclohexadien-1-yl)propanamine(MA還元体)を文献に従って合成し、δ値を測定する。δ値決定済みのpseudoephedrine、MA還元体及びMAの純品を用いて、GC-IRMSによる分析の検討を行う。Birch還元の反応停止後の液を模した、模擬反応液(LiOH/アンモニア水-エタノール混液)に、δ値決定済みのpseudoephedrine、MA還元体及びMAを添加し、試料調製法の検討及びGC-IRMSによる分析の検討を行う。さらに、pseudoephedrine、MA還元体及びMAについて、GC-FIDを用いて定量分析の検討を行う。実際にpseudoephedrineに対しBirch還元を行い、δ値の測定を行う。
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