研究課題/領域番号 |
19K07039
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
加藤 くみ子 北里大学, 薬学部, 教授 (10398901)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | リポソーム / 物性 / 細胞外小胞 / エクソソーム / 膜流動性 |
研究開始時の研究の概要 |
人類の英知を結集した優れた医薬品により多くの疾患が克服されているが、薬物を標的患部に効率的に届けることができず難治性疾患として課題が残されているがんや認知症などの疾患克服に結び付く治療法が求められている。本研究では内因性の生体物質運搬因子エクソソームの機能に着目し、それを模した人工脂質ナノ粒子が細胞内に取り込まれ、細胞質内へ薬物を放出する機能を決定づける、生体側と脂質ナノ粒子との動的な相互作用メカニズムを物理化学的に解析する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、種々の脂質組成からなるpH応答性脂質ナノ粒子を用い、細胞内取り込み後のエンドソーム膜との融合、内包薬物放出の分子メカニズムを、エンドソーム膜の特性と脂質ナノ粒子の物性に着目して詳細に解析した。pHの低下に伴い、ナノ粒子の粒子径増大、正への荷電とともに、脂質膜流動性の上昇が生じたことから、pH応答性脂質間の静電的反発により膜流動性の増大が生じたと考えられる。したがって脂質ナノ粒子とエンドソーム膜との膜融合には、両者の静電的相互作用とともに脂質ナノ粒子の膜流動性も関与していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、脂質ナノ粒子を用いた薬物送達技術においてより効率的に薬物を細胞質内に送達させるための物性を精査し、脂質ナノ粒子の膜流動性の寄与が示唆された。近年、ワクチンに利用されている核酸医薬等の薬物送達技術としてナノ粒子が注目されており、本研究の成果はより効率的に薬物を細胞内に送達させるナノ粒子製剤の設計に寄与するものと考えられる。
|