研究課題/領域番号 |
19K07041
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
矢木 真穂 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 助教 (40608999)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | アミロイド線維 / アミロイドβ / 微小重力環境 / 低温大気圧プラズマ / ガングリオシド / 核磁気共鳴 / クライオ電子顕微鏡 / 国際宇宙ステーション / 微小重力 / アミロイド |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質のアミロイド形成は神経変性疾患等の発症と関わっており、その分子機構を明らかにすることは薬学領域においても重要な課題である。タンパク質の分子間相互作用から線維形成に至るプロセスには、タンパク質を取り巻く様々な環境因子が複雑に関わっており、それらの寄与を考慮しない限りアミロイド形成機構の真の理解は不可能である。そこで本研究では、アルツハイマー病の発症に関わるアミロイドβをモデル分子として、対流等による溶液内ミクロ環境の揺らぎ、溶液-膜界面での空間限定の効果等を考慮した構造解析を行い、これらの環境因子がアミロイド形成に与える影響を詳細に検討して分子会合機構の実態解明に迫る。
|
研究成果の概要 |
微小重力環境下で形成したアミロイド線維の精密構造解析を行い、アミロイド線維形成に対する溶液内ミクロ環境の揺らぎの影響を明らかにすることができた。一方、アミロイドβの分子会合に対する溶液-膜界面での空間限定の効果を明らかにするため、固体NMR解析および分子動力学計算を実施し、ガングリオシドを含む脂質膜界面に補足されたアミロイドβの分子集合体の構造を決定するとともに、分子集合の鍵となるアミノ酸残基を特定することに成功した。さらに、高速原子間力顕微鏡を用いて、アミロイド線維の伸長の様子や、抗アミロイドβ抗体がアミロイド線維の伸長末端に特異的に結合して線維伸長を阻害する様子を可視化することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質のアミロイド形成は神経変性疾患等の発症と関わっており、その分子機構を明らかにすることは薬学領域において重要な課題である。タンパク質の分子間相互作用から線維形成に至るプロセスには、タンパク質を取り巻く様々な環境因子が複雑に関わっている。したがって、対流等による溶液内ミクロ環境の揺らぎ、溶液-膜界面での空間限定の効果等の寄与を考慮した構造解析を実施することではじめて、アミロイド形成機構の真の理解が可能となる。さらに、得られた研究成果に基づき、環境因子の影響を考慮したアミロイド標的創薬への新たな展開などが期待される。
|