研究課題/領域番号 |
19K07058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
今江 理恵子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60584000)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | CDP-グリセロール / PCYT2 / 糖鎖 / α-ジストログリカン / グリセロールリン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、糖鎖構成因子として「グリセロールリン酸」が初めて見出された。本研究では、グリセロールリン酸を含有する糖鎖の合成機構および生理的・病理学的意義を明らかにする。まずグリセロールリン酸の供与体となるCDP-グリセロールに焦点を当て、どのような生理的・病理的状況で、どのような経路で生成するか明らかにする。さらに、グリセロールリン酸含有糖鎖がどのようなタンパク質分子に結合し、どのような分子と相互作用するかを解析することで、グリセロールリン酸含有糖鎖の生理機能を分子レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
CDP-グリセロール(CDP-Gro)はグリセロールリン酸が糖鎖に導入される際の供与体となる。本研究において、CDP-Groがヒト細胞やマウス臓器にも存在することを初めて明らかにした。マウス臓器では特に肝臓においてCDP-Gro含有量が多く、また、癌細胞では正常細胞に比べてCDP-Groが多い傾向が見られた。さらに、CDP-Groの合成酵素としてPCYT2を同定し、グリセロール-3-リン酸とCTPからCDP-Groが合成されるという新たな代謝経路を発見した。また、PCYT2の発現抑制によりCDP-Groを減少させるとα-ジストログリカンにおけるラミニン結合性糖鎖の合成が亢進することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖は細胞表面に多く存在し、細胞接着やシグナル伝達などの様々な生命現象に関わるほか、疾患の発症にも深く関わっている。一方、糖鎖はその構造的な複雑さから解析が難しく、未知の糖鎖構造や糖鎖機能が多く残されていると考えられる。近年、哺乳動物の糖鎖の新たな構成因子としてグリセロールリン酸が報告されたが、グリセロールリン酸を含む糖鎖の生物学的意義はほとんど明らかになっていない。本研究からグリセロールリン酸含有糖鎖の合成に関わる分子基盤が明らかになったことで、その機能に迫ることが可能となった。今後、肝臓や癌等に着目して本糖鎖の役割を解析することで、新たな治療標的の創出につながることが期待される。
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