研究課題/領域番号 |
19K07071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
岩田 誠 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 客員上級研究員(研究院客員教授) (50160122)
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研究分担者 |
伊藤 悦朗 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80203131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 濾胞性ヘルパーT細胞 / サイトカイン / インテグリン / Th17 / アリルハイドロカーボン受容体 / 低酸素 / HIF-1 / 生理的低酸素 / T細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞は、B細胞分化と抗体産生を制御して、適正で高効率の免疫反応の誘導に関与する。その乱れは、感染症、アレルギー、自己免疫、発がんなどに罹患する可能性を高める。しかし、Tfh細胞の分化誘導機序には不明な点が多い。我々はTfh細胞が存在するリンパ系組織が生理的に低酸素状態にあることに着目し、低酸素状態が積極的にTfh細胞分化を促している可能性を見出した。本研究ではその可能性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
濾胞性ヘルパーT (Tfh)細胞は抗体産生の誘導制御に必須の役割を果たす。我々はTfh細胞の分化誘導機序解明を目指し、in vitroで他の細胞種の寄与なしにその分化を再現するモデル実験系を構築した。その過程で、Tfh細胞のマスター転写因子Bcl6とともに、炎症に関与するTh17細胞のマスター転写因子RORγtの発現誘導を観察した。しかし、T細胞受容体刺激の持続時間を制限し、芳香族炭化水素受容体の活性を抑制することにより、RORγt発現のみを抑制し、Tfh細胞に重要なケモカイン受容体CXCR5の発現促進に成功した。この実験系を用いて、Tfh細胞分化に影響する複数の因子を見出すことにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
濾胞性ヘルパーT (Tfh)細胞は抗体産生の誘導と制御に必須の役割を果たしており、その分化の乱れは、感染症、アレルギー、自己免疫、発がんなどのリスクを増大させる。そして、本研究開始後ほどなくして広がったSARS-CoV-2感染によるCOVID-19の重症化にもTfh細胞の分化異常が関与していることが明らかとなった。これらの問題を解決するためには、in vitroでTfh細胞を分化誘導できるモデル実験系が必要だったが、満足できる実験系は存在しなかった。本研究で構築したモデル実験系は、Tfh細胞分化の分子機序の解明に留まらず、その分化を左右する要因のスクリーニングにも有力な基盤を提供する。
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