研究課題/領域番号 |
19K07072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
中山 浩伸 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (40369989)
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研究分担者 |
森田 明広 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (20382228)
田口 博明 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (20549068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 鉄欠乏ストレス / 真菌感染症 / カンジダ / 病原性発現 / 標的分子 / 真菌 / 鉄代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
種々の実験手法が確立している病原酵母カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)を用いて遺伝学的解析や生化学・細胞生物学的解析から、鉄欠乏シグナルを受け取り鉄代謝のネットワークを制御するスイッチとなる因子や鉄代謝ネットワークの構成する因子の同定と機能解析を行う。機能解析では、感染モデルを用いた実験も行い、同定した因子の宿主感染における位置づけについても確認する。さらに、得られた知見から、抗真菌薬の標的分子の選出するほか、細胞レベルの化合物スクリーニング系や組換えタンパクを用いた再構築系を利用したスクリーニング系を立ち上げ、抗真菌活性を有する化合物の探索を試みる。
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研究成果の概要 |
細胞内の鉄濃度は、取り込みと消費、貯蔵の間で厳格に管理されているため、その制御の破綻因子は抗真菌薬となりうる。トランスクリプトーム解析により、Candida glabrataの鉄代謝制御に関与する遺伝子を特定し、欠損株を作成して表現型解析を行った。その結果から、細胞外からの鉄の取り込み因子(FET3/FTR1)、代謝制御の転写因子(SEF1)、転写後制御因子(CTH2)の機能欠損が、鉄不足環境下での細胞増殖に大きな影響を与えることが明らかになった。特にcth2欠損株は、病原性の低下が大きかったことから、Cth2の機能活性の抑制(標的核酸配列との結合抑制)が、抗真菌活性につながると予想された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先進医療の発展や人口の高齢化に伴い、日和見感染症対策は重要な課題となっている。特に、侵襲性の真菌感染症は発症頻度、死亡率ともに高く、対策が喫緊の課題となっている。現在の抗真菌薬には、スペクトルの狭さや副作用の問題があるため、治療薬選択の余地は狭く、また、既存薬に抵抗性を示す株の出現もあり、有効な治療法の開発が急務である。今回、鉄代謝の転写および転写後制御の撹乱が、外部からの鉄の取り込みを阻害するより、真菌の病原性を低下させたことを明らかにした。この知見は、新規の抗真菌薬の標的として、転写および転写後制御因子の阻害が有望であることを示しており、抗真菌薬の開発に貢献すると期待される。
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