研究課題/領域番号 |
19K07074
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
林原 絵美子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 室長 (20349822)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | Helicobacter cinaedi / Phosphorothioate DNA / Phosphorothioate化修飾 / DNA修飾 / メチル化 / Helicobacter / Dnd遺伝子 / Restriction-Modification |
研究開始時の研究の概要 |
Helicobacter cinaediは菌血症や蜂窩織炎の原因菌として分離され,院内感染を起こす.申請者は,院内感染事例由来の特定のクローンにはDNAのPhosphorothioate(PT)化修飾を行うdnd遺伝子群が特異的に存在することを見出した.DNAのメチル化修飾は外来DNAから自己のDNAを守るRMシステムの一環であるだけでなく,遺伝子の発現調節を介して病原性や環境適応に寄与している.一方,PT化修飾は近年明らかになったDNA修飾であり,その役割には不明な点が多い.そこで,本研究ではH. cinaediの病原性や環境適応におけるPT化修飾の寄与を明らかにする.
|
研究成果の概要 |
Helicobacter cinaediの院内感染由来クローンに特異的に存在するPhosphorothioate化修飾(PT化修飾)を行うdnd遺伝子群について、欠損株を作製し研究を行った。まずSMRT法によりPT化を解析した結果、全標的モチーフのうち8.9%がPT化されていた。トランスクリプトーム解析の結果、欠損株ではDccSRやPtmGをコードする遺伝子が有意に発現減少していた。またCaco-2細胞への感染実験により、dnd遺伝子群の欠損により細胞障害性は増加することが分かった。以上の研究成果はPT化修飾がH. cinaediの環境適応および病原性発現に寄与している可能性を示すものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PT化修飾は近年明らかになったばかりの細菌特有のDNA修飾であり、本研究ではPT化修飾が環境応答や病原性に寄与している可能性を示した。Helicobacter cinaediは菌血症や蜂窩織炎の原因となる細菌であり、時に院内感染を引き起こす。今後H. cinaediの菌株間の環境適応能や病原性の違いにおけるPT化修飾の新たな役割が解明されることが期待される。
|