研究課題/領域番号 |
19K07077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立水俣病総合研究センター |
研究代表者 |
藤村 成剛 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (20416564)
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研究分担者 |
中村 篤 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 医療系職員 (40785713)
臼杵 扶佐子 鹿児島大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 客員研究員 (50185013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | メチル水銀 / 神経機能障害 / 筋機能障害 / 神経障害性疼痛 / ROCK阻害剤 / 振動刺激処置 / 神経軸索 / 筋線維 / 振動刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
未だ解決されていないメチル水銀による神経機能障害の根本治療を可能にするために、神経軸索の再生メカニズムに着目したROCK阻害剤による薬物治療の可能性について実験的に明らかにし、臨床研究へ繋げる (基礎研究から臨床研究へのアプローチ)。さらに、神経機能障害に伴う筋機能障害については、これまで臨床研究によって振動刺激が有効であることが示されているが、そのメカニズムについては十分に解明されていないことから、実験動物を用いて振動刺激の筋機能障害に対する作用メカニズムを理論的に明らかにし、臨床研究へ還元する (臨床研究から基礎研究へのアプローチ)。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、水俣病を代表とするメチル水銀中毒において引き起こされる神経機能障害および筋機能障害の治療を可能にするために、メチル水銀中毒動物モデルを用いてその発症メカニズムを実験的に明らかにし、さらにその発症メカニズムに基づいた薬剤等による治療効果を実験的に明らかにすることによってメチル水銀中毒の治療についての有益な情報を得ることである。 令和元年度までの研究によって、当初の目的である神経機能障害および筋機能障害の治療についてはROCK阻害剤および振動刺激処置が有用であることを明らかにした。 そしてその後、令和2年度からメチル水銀曝露によって引き起こされる神経障害性疼痛についての研究を実施している。 令和3年度は、前年度に作成に成功したメチル水銀曝露によって神経障害性疼痛が生じるモデルラットを用いて、ROCK阻害剤であるFasudilがメチル水銀曝露によって発症する神経障害性疼痛を抑制することを明らかにした。さらに、その抑制メカニズムが、脊髄後角におけるメチル水銀による炎症性サイトカインの発現増加と非炎症性サイトカインの発現低下に対してFasudilが抑制するためであることが示唆された。 さらに、昨年度 (令和4年度) は、ガバペンチン (神経障害性疼痛に対して臨床使用されている) においても本モデルにおける疼痛抑制効果を確認した。さらに、その抑制メカニズムが、メチル水銀曝露による体性感覚野の触覚/痛覚回路の混線をガバペンチンが是正するためであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度 (令和元年度) は、メチル水銀中毒動物モデルを用いた実験によって、ROCK阻害剤および振動刺激処置が組織病理学的に神経軸索および筋線維の再生を促し、さらにはその詳細なメカニズムについて実験的に明らかにした。これらの結果に関しては2報の学会発表を行い、さらに2報の論文としてまとめ、国際学術雑誌における出版を達成した。 そしてその後、令和2年度からメチル水銀曝露によって引き起こされる神経障害性疼痛についての研究を実施している。 令和3年度は、メチル水銀中毒動物モデルにおいて下肢に神経障害性疼痛 (疼痛閾値の低下および痛覚過敏) が生じていることを明らかにした。さらに、その詳細なメカニズムについて実験的に明らかにすることに成功した。これらの結果に関しては2報の学会発表、さらに1報の論文および1報の総説としてまとめ、国際学術雑誌における出版を達成した。 令和4年度は、前年度に作成に成功したメチル水銀曝露によって神経障害性疼痛が生じるモデルラットを用いて、ROCK阻害剤であるFasudilがメチル水銀曝露によって発症する神経障害性疼痛を抑制することを明らかにした。さらに、その抑制メカニズムが、脊髄後角におけるメチル水銀による炎症性サイトカインの発現増加と非炎症性サイトカインの発現低下に対してFasudilが抑制するためであることが示唆された。これらの結果に関しては1報の論文および1報の総説としてまとめ、国際学術雑誌における出版を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、本メチル水銀中毒モデルにおける神経障害性疼痛に対するガバペンチン (神経障害性疼痛に対して臨床使用されている) の効果について検討中であり、既にその疼痛抑制効果を確認済みである。 今後は、ガバペンチンの疼痛抑制作用のメカニズムについて詳細な探求を行い、その研究結果について論文化を行う予定である。
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