研究課題/領域番号 |
19K07099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
織田 進吾 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (10725534)
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研究分担者 |
横井 毅 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70135226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肝線維化 / lncRNA / エクソソーム / 肝障害 / non-coding RNA / microRNA / 肝星細胞 / 長鎖非コードRNA |
研究開始時の研究の概要 |
肝線維化は、慢性肝障害に伴ってコラーゲン線維が沈着する病理的変化であり、慢性肝障害の持続により肝硬変に進展し肝癌の合併をみる。近年、長鎖非コードRNA (lncRNA) が、発生・分化のみならず、発癌等の種々の細胞イベントへ関与することが報告されている。一方で、肝線維化に重要な星細胞活性化における細胞内シグナルは不明な点が多く、lncRNAが肝線維化に関与することを示唆する僅かな報告はあるものの、大半は不明な状態である。本研究では、肝星細胞活性化におけるlncRNAの役割を網羅的に解析することで、星細胞の活性化・増殖による肝線維化に関与するlncRNAとその機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
Non-coding RNAを内包するエクソソームは、細胞間コミュニケーションに関与することが知られている。本研究では、エクソソームを介した細胞間コミュニケーションが、肝障害発症に関与するかを明らかにすることを目的とした。Rock阻害剤であるファスジルはエクソソーム放出を阻害することが報告されていることから、初めにその効果を検討した。Balb/cマウスへ四塩化炭素を単回腹腔内投与し、急性肝障害を発症させたところ血清エクソソーム数に上昇傾向が認められた。四塩化炭素と同時にファスジル50 mg/kgを単回経口投与したところ、四塩化炭素単独と比べエクソソーム数に低下傾向が認められた。しかしながら、ファスジル投与は四塩化炭素投与による血清ALT値に影響しなかったため、四塩化炭素誘導性急性肝障害に対して影響しないことが示唆された。 続いて、Balb/cマウスへ四塩化炭素を2回/週、4週間投与することで肝線維化モデルを作成し、同時にファスジルを飲水投与した (200 mg/kg/day相当)。肝切片のシリウスレッド染色により軽度の線維化を確認した。しかし、ファスジル併用投与により線維化面積は変動せず、線維化マーカーTGFbeta、Acta2、Col1a1、Desmin mRNA発現量も変動しなかった。さらに肝水酸化プロリン量にも影響しなかった。従って、本実験方法ではファスジルは四塩化炭素誘導性肝線維化に影響しないことが示唆された。エクソソーム放出には複数の因子が関与することから、阻害剤を組み合わせるなどの検討が必要である。
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