研究課題/領域番号 |
19K07106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
村上 慎吾 中央大学, 理工学部, 教授 (40437314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬物誘発性不整脈 / L型カルシウムチャネル / シミュレーション / EAD / 早期後脱分極 / 再分極予備能 / 活動電位延長 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物誘発性不整脈の危険性予測はIKr阻害の有無の確認で行われてきたが、多数の擬陽性を出すことが判明し、IKr阻害以外の新規危険性予測方法が必要とされている。より正確な薬物誘発性不整脈の危険性予測のために、薬物誘発性不整脈の機序を活動電位が延長し不整脈が発生しやすい状況である「基質」と不整脈発生の直接の原因である「トリガー」に分けて、この2つの機序に基づいた予測方法の検討を行う。再分極予備能という概念を応用し、薬物により異なる活動電位延長の正確な予測と、薬物誘発性不整脈の「トリガー」である早期後脱分極を担うL型カルシウム電流(ICaL)への薬物効果の検討を行う。
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研究成果の概要 |
IKr阻害下での異なる薬物誘発性不整脈発生のリスク予測のためにO'Hara-Rudyのヒト心室筋細胞モデル、3種類の薬物モデル、仮想的な薬物モデルなどを用いることで、再分極予備能やEAD(early afterdepolarization)の発生危険性の差に関する薬理効果の機序を検討した。再分極予備能を厳密に再定義して新規の定量的なリスク評価方法を構築・評価した。さらにL型カルシウム電流(ICaL)に対する薬物効果の違いがEADの発生頻度に影響していることを示した。上記で明らかにされた機序を基に、危険性予測のプロトコルを提案しその有効性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物誘発性不整脈は新規薬物開発コストの上昇の一因であり、新規薬物開発や臨床における安全性や社会的コストの面からも、薬物誘発性不整脈の正確な予測が必要とされている。従来の薬物誘発性不整脈の機序の説明では、薬物の副作用でIKr阻害により活動電位や心電図上のQTが延長することでTorsades de pointes(多型性心室頻拍)が発生するとしてきた。しかし、近年の多数の擬陽性の実例より、IKr阻害と薬物誘発性不整脈発生の危険性の関連性がそれほど高くないことが判明している。本研究では単純なIKr阻害だけでない新たな薬物誘発性不整脈の危険性の予測方法を提案することができた。
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