研究課題/領域番号 |
19K07109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
松本 健次郎 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (10406770)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 温度感受性受容体 / TRPM8 / 社会的敗北ストレス / 内臓痛覚過敏 / 知覚神経 / 脳腸相関 / TRPチャンネル / 消化管 / 内臓痛 |
研究開始時の研究の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部不快感をともなう下痢や便秘などの便通異常が慢性的にくり返される疾患であり、急増する患者数と生活の質を著しく低下させることが問題となっている。IBSの発症は「ストレス」が、重要な鍵を握っていると考えられているが、難治性で病因が複雑であることから、その病態解明と治療薬の開発が社会的に強く求められている。 本研究では、成因の異なる3種類のIBSモデルや遺伝子欠損動物を用い、TRPM8によるIBSの病態制御メカニズムを解明する。さらに作用薬を用いた薬理学的解析から、TRPM8を標的としたIBS治療薬の開発に向けた基礎研究を行う。
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研究成果の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛、下痢、便秘を慢性的に繰り返す機能性消化管障害である。 TRPM8は、メントールの受容体として同定された冷感受性カチオンチャネルである。本研究では、幼少期の社会的敗北ストレスによって引き起こされるIBS様症状におけるTRPM8の役割を、WTおよびTRPM8KOマウスを用いて検討した。 幼少期社会的敗北ストレス負荷により、成熟後にIBS様の症状が確認された。TRPM8は大腸の感覚神経と脳のGABA作動性神経に発現していた。TRPM8は、IBS様症状に対して保護的な役割を担っていることが示唆された。TRPM8アゴニストは、IBS治療の魅力的な標的であると推定される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的に高い有病率を示している過敏性腸症候群は、有用な実験動物モデルが不足している。本研究の成果は、幼少期マウス社会的敗北ストレスによる新規病態モデルを提案することができた。本病態モデルにおいてTRPM8遺伝子欠損マウスを用いた検討から、TRPM8の活性化により症状が緩和されることが示唆された。これは基礎研究からのエビデンスの乏しかった、過敏性腸症候群とTRPM8の関わりについて重要な情報となる。
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