研究課題/領域番号 |
19K07111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
深澤 洋滋 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (70336882)
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研究分担者 |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 掻痒 / ガストリン放出ペプチド / DREADD / 脊髄 / 乾癬 / 接触性皮膚炎 / 性差 / AMPA / DREDD / 後角 / かゆみ / イミキモド / ジフェニルシクロプロペノン / グルタミン酸 / AMPA受容体 / 慢性掻痒 / グリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は殆ど解明されていない慢性掻痒の中枢性調節機構に着目し、その伝達機構および新規調節因子の役割を明らかにする。申請者らの先行研究より、脊髄のガストリン放出ペプチド受容体を介した伝達機構が病態解明の鍵になると考えられるため、第一に、慢性掻痒モデルマウスにおける脊髄内ガストリン放出ペプチドシステムの役割を評価し、第二に、それらマウスにおける脊髄グリア細胞の活性化やガストリン放出ペプチドシステムを調節する炎症性因子の役割について遺伝子改変マウスを用いて明らかにし、慢性掻痒の新規治療戦略を提示する。新たな慢性掻痒の病態分子基盤に迫る本研究は、臨床応用にも繋がる国際的波及効果の極めて高い研究である。
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研究成果の概要 |
本研究により、慢性掻痒モデルマウスの引っ掻き行動の発現には、雌雄の区別なく脊髄後角でのGRP-GRPRシステムが重要な役割を果たすことが明らかとなった。また、痒み情報の中枢への伝達にはGRPR陽性ニューロンの活性化が中心的な役割を果たし、その活性化にはGRPとグルタミン酸の協調的な遊離が関与することが示唆された。さらに、GRP産生ニューロンの局在を化学遺伝学的手法であるDREADDシステムにより検討したところ、GRP産生ニューロンは脊髄後角と脳の顔面神経核に局在し、そのニューロンの活性化が引っ掻き行動の発現に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GRPの生理的条件下での痒みへの役割が報告されて以降、痒みに関する神経科学研究では種々の神経ペプチドの役割の解明に焦点が当てられてきた。本研究ではげっ歯類においてGRPおよびグルタミン酸がGRPR陽性ニューロンの興奮に関与すること、脊髄後角での介在ニューロンからのGRPの遊離によるGRPR陽性ニューロンの興奮が、痒み伝達に重要であることを明らかにした。本研究が注目するGRPR陽性ニューロンは、げっ歯類から霊長類まで普遍的にその生理的機能が保存されていることから、本研究成果はヒトの慢性掻痒の病態分子基盤の解明に基礎的な知見を提供するとともに、新規治療法の確立に寄与することが期待できる。
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