研究課題/領域番号 |
19K07115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
山地 賢三郎 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 主任研究員 (40508628)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝線維症 / NASH / Wnt/β-カテニン/CBPシグナル阻害剤 / 非アルコール性脂肪肝炎 / β-カテニン/CBPシグナル阻害剤 / 肝線維化 / マクロファージ / 肝機能改善 / 肝細胞機能正常化 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国を含めて非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) 患者数は増加傾向にある。NASHによって起こる肝臓の線維化は、肝硬変・肝細胞がんへと進行するリスクとなりうる。 我々はB型およびC型肝硬変で治験が実施されているPRI-724をNASH肝線維化モデルマウスに投与すると、肝線維が減弱し、さらに肝機能や肝臓組織構造の正常化が同時に起こることを見出した。この結果は、PRI-724がNASH肝線維症の治療薬となる可能性を示唆している。今後薬剤として実用化していくためには、脱線維化や肝臓組織構造の正常化がどのようにして起こるのか作用の解明が必要である。本研究課題ではその機序を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)において、肝線維化の進展が予後や肝がんに寄与することからその治療が重要となる。これまでに肝硬変を対象として開発が進んでいるWnt/β-カテニンシグナル阻害剤 PRI-724がNASHに起因する肝線維を有意に減弱させることを見出している。本研究課題では1) PRI-724投与によるNASH肝線維化を減弱させる機序にCd68+Mmp9+マクロファージが重要なこと、2) PRI-724投与でNASHによるプロトロンビン時間の低下および肝アルブミン発現の低下を有意に改善することが明らかとなった。PRI-724はNASH肝線維化治療薬となりうる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変や肝不全に対しては肝移植以外に根治的治療法はなく、肝移植にはドナー不足や患者負担など大きな問題がある。Wnt/β-カテニン/CBPシグナル阻害剤PRI-724はB型およびC型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者を対象として臨床試験が進んでいる薬剤であり、その有効性が示されている。NASHの有病数は世界で約4億4千万人であり、今後はさらに増加すると推定されている。アメリカでは、肝移植が必要な疾患の第一位はNASHであり、大きな問題になっている。本研究課題の結果から、PRI-724はNASHに起因する肝硬変に対しても治療薬となりうる可能性を示すことができた。
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