研究課題/領域番号 |
19K07124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
長井 良憲 富山県立大学, 工学部, 教授 (30431761)
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研究分担者 |
多喜 博文 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (10240780)
篠田 晃一郎 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (40377312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自然免疫 / Toll-like receptor / 全身性エリテマトーデス / 低分子化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、全身性エリテマトーデス(SLE)の新規治療薬創製のための創薬シーズを確立することである。研究者は、SLEの発症・増悪に極めて重要な役割を果たすTLR7の活性化を選択的阻害する低分子化合物を見いだした。さらに、当該化合物の活性を約30倍高めた新規誘導体の合成に成功した。本研究では、分子動力学的計算及び構造生物学に基づいた当該誘導体の作用機序の解析やSLEモデル動物における治療効果、ヒト免疫細胞における有効性を検証する。これらを基盤とし、TLR7の異常活性化を選択的且つ強力に阻害する分子機序を解明すると共に、治療ニーズが高いSLEに対する革新的な治療薬シーズの確立と臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
マウス樹状細胞を用いて、2つの新規合成誘導体がmicroRNA刺激によるTLR7活性化を抑制することを確認した。また、これらの誘導体が健常人樹状細胞及びSLE患者単核球におけるTLR7活性化を抑制することも確認した。また、クライオ電顕及び分子動力学シミュレーションにより、合成誘導体B2-24-4-5AがTLR7二量体化構造と安定的に結合することを明らかにした。さらに、SLEモデルマウスNZB/WF1マウスへの合成誘導体B2-24-4投与が血清抗Sm抗体価や糸球体腎炎、尿タンパク量を有意に改善すること、またB2-24-4-5A投与がマウスの生存率を大幅に改善することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、合成誘導体B2-24-4及びB2-24-4-5Aが内因性リガンドによるTLR7活性化を阻害することを明らかにするとともに、SLEモデルマウスにおいて顕著な抗SLE作用を示すことを明らかにした。また、クライオ電顕とMDシミュレーションの解析から、B2-24-4-5AのTLR7阻害機序の一端を明らかにすることができた。今後は、開発化合物として絞り込んだB2-24-4-5Aを用いて安全性試験/毒性試験を実施後、ヒト臨床試験を開始する予定である。更なる研究の推進により、革新的なSLE治療薬の開発に繋がり、近い将来SLE診療に大きなインパクト・貢献をもたらすことが期待できる
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