研究課題/領域番号 |
19K07131
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 教授 (90169219)
|
研究分担者 |
米山 雅紀 摂南大学, 薬学部, 准教授 (00411710)
山口 太郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (30710701)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 聴覚障害 / 加齢性難聴 / 認知症 / レスベラトロール / クロロゲン酸 / 炎症性サイトカイン / 予防薬 / サプリメント / 難聴 / ポリフェノール / クルクミン / 加齢促進マウス / 加齢 / 薬理学 / 薬物治療 / 予防医学 |
研究開始時の研究の概要 |
『後天的な難聴の発症が認知症の最大のリスクファクターである』との知見から、加齢性難聴の予防・克服が高齢化社会にとっての大きな課題である。本研究の目的は、認知症のリスクファクターである加齢性難聴の病態解明と予防薬の創出にある。この目的達成のために以下の実験を遂行し、加齢に伴う聴覚障害の軽減と高齢者の認知症のリスク軽減に寄与する。(1)種々のモデル動物を用いた加齢性難聴の病態形成因子と発症メカニズムの解明、(2)応募者が先行研究で作製した騒音反復曝露による聴覚障害動物を用いた加齢性難聴予防薬のスクリーニング系の確立、(3)加齢性難聴の予防薬・サプリメントの候補物質の探索とその作用機序の解明。
|
研究成果の概要 |
本研究では、加齢性難聴モデルとして慢性騒音曝露難聴動物および自然発症加齢性難聴度動物(SAMP1マウス)を用いて、難聴予防効果を示す化合物を探索した。その結果、ポリフェノール類のクルクミン(ウコンの含有成分)、クロロゲン酸(コーヒー豆の含有成分)、レスベラトロール(ブドウの果皮の含有成分)が聴覚障害を予防することを見出した。しかしながら、カテキン類には難聴予防効果がみられなかった。これらの化合物はいずれも広く使用され、その安全性が確認されていることから、難聴の予防を介した認知症の予防に貢献することが期待されます。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際アルツハイマー病会議(2017年7月)において、認知症のリスク因子として、高血圧、糖尿病、肥満、うつ病などとともに、難聴が挙げられている。さらに、近年の国内外の研究では、難聴のために、本来あるべき音の刺激による脳への情報が減少し、神経細胞の活動が抑制され、脳の萎縮を引き起こすことで認知症の発症に大きく影響する可能性が推察されている。加齢性難聴に代表される慢性感音難聴は急性感音難聴研究に比較して、得られている知見数は多くなく予防薬の開発には混迷を極めている。本研究は、加齢性難聴の予防薬の開発ばかりでなく、難聴予防による認知症の予防にも貢献することから高齢化社会における社会的意義は大きい。
|