研究課題/領域番号 |
19K07134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
田中 宏幸 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (30253470)
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研究分担者 |
楠瀬 直喜 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 助教 (10725964)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂質メディエーター / 天然化合物 / プルダウンアッセイ / 天然医薬資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年様々な疾患との関連が指摘されている慢性炎症に着目し、抗炎症作用を有する天然資源の選抜を可能とする新規な薬効評価系を確立した後、プルダウンアッセイを応用して炎症に関わる標的分子に特異的に相互作用する有用成分を選択的かつ効率的に見出す研究を進める。新たな医薬資源として活用できる素材を発掘するために、これまでに培った研究ネットワークを通じて国内外から様々な植物資源を入手し、詳細な解析を行うことも本研究課題の特徴で、効率的なスクリーニングシステムと選択的な分離技術を駆使して医薬資源の発掘につながる研究を展開する。
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研究成果の概要 |
ラットの炎症部位における脂質の変動を網羅的に解析した結果、炎症反応に関わりがある脂質メディエーターを特定することに成功した。特定した脂質メディエーターは、各種脂質の酸化体で、これらの化合物等が直接的あるいは間接的に炎症制御反応に関与している可能性が示唆された。また、様々な薬用資源を国内外から調達し、これらの試料についてエキスの調製を行った。標的受容体を固定した磁気ビーズを用いたプルダウンアッセイは、選択的に活性成分を見出しうる有効な手段であり、炎症性メディエーターに類似した構造を有する脂溶性天然物に焦点を当て、慎重な取り扱いが必要な天然化合物を単離し、その抗炎症作用を検証する計画を立てている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果として、炎症時に産生される炎症性メディエーターを特定することができ、慢性炎症を制御する経路を推測することができた。天然化合物は多種多様な構造を有しており、今回特定して炎症性メディエーターを制御しうる成分が含まれている可能性は極めて高い。今回の研究の成果として、国内外から極めて多数の有用資源を調達し、創薬資源として活用しうる材料を準備することができた。今後、プルダウンアッセイを組み合わせた効率的な天然物化学研究を展開することで、天然物化学研究の新たな潮流を生み出すことができると考えている。また、今後の成果は、慢性炎症が起因する様々な疾患に有用な資源の発見を促すものとして期待できる。
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