研究課題/領域番号 |
19K07139
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
久保原 禅 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
|
研究分担者 |
菊地 晴久 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (90302166)
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 細胞性粘菌 / DIF / 抗がん剤 / 抗菌薬 / マラリア / 糖尿病 / 創薬 / 糖代謝 / 天然物化学 / 抗菌剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞性粘菌由来の化合物DIFをシードとしたまったく新しいタイプの1)抗がん剤(増殖と浸潤・転移の両者を阻害する薬剤)と2)抗菌薬(既存薬剤耐性菌も駆逐する薬剤)の開発、並びに3)それら薬剤の作用機序解析を進める。がんの悪性たる所以は、がん細胞の活発な増殖能と浸潤・転移能にあるが、本研究では両者を阻止できる抗がん剤開発を目指す。また、既存抗菌薬に対する耐性菌の出現が人類の脅威となっているが、DIFはそれら薬剤耐性菌を駆逐する抗菌薬シーズとしても期待できる。
|
研究成果の概要 |
細胞性粘菌の一種Dictyostelium discoideum(和名:キイロタマホコリカビ)から発見されたDIF-1とその誘導体(DIFs)は抗腫瘍活性と抗菌活性を有する低分子化合物である。本研究において我々は、DIFsをシードとした新規抗がん剤と抗菌剤の開発と、DIFsの作用機序解析を進めた。その結果、①いくつかのDIFsが乳がん細胞の増殖と遊走を阻害すること、②いくつかのDIFsが乳がん細胞におけるPD-L1の糖鎖修飾を阻害すること、③いくつかのDIFsが多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などのグラム陽性菌の生育を強力に阻害すること等を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の死因トップ1はがんであり、がん対策は喫緊の課題となっている。また、かつては減少傾向にあった肺炎が近年の死因トップ3にランクインしている。 一方、ペニシリンの発見以降、真菌類や放線菌等の微生物は「創薬資源」として人類に貢献してきたが、既存薬に耐性を有する細菌やがん細胞が出現し大きな社会問題となっており、新たな薬剤の開発に加え、新たな創薬資源の探索・開発も重要な課題になっている。 このような状況下において、我々の研究の学術的・社会的な意義は大きい。
|