研究課題/領域番号 |
19K07144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
好村 守生 松山大学, 薬学部, 准教授 (80454891)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 漢方 / 煎出 / 含有成分 / 化学変化 / 生薬 / 熱水抽出物 / 生薬成分 / 漢方エキス製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
天然物の成分研究は有機溶媒による冷浸で得た抽出物を用いて行うことが基本であり,生薬の含有成分に関する知見の大多数はその検討の結果によるものである.一方,漢方処方における湯液は,複数の生薬を混ぜ合わせた後に水から煮出すため,成分の化学構造の変化や脂溶性成分が抽出されにくいなどの実態が考えられる.また,現在の医療制度では漢方処方における散剤や丸剤はエキス製剤(水煎出物)が利用されているため,本来の散剤や丸剤とは成分組成が異なる可能性がある.そのため,本研究では生薬を煎じることで起こる含有成分の化学的変化を追跡することで,漢方で頻用される湯液の薬効をより良く理解するための基礎を構築する.
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研究成果の概要 |
散剤や丸剤で頻用される生薬21種(カンゾウ,ブクリョウ,トウキ,シャクヤク,センキュウ,ショウキョウ,ケイヒ,ソウジュツ,ジオウ,タクシャ,キキョウ,ボタンピ,チョレイ,チョウトウコウ,サイコ,トウニン,サンシュユ,サンヤク,ブシ,サンシシ,ハッカ)について,熱水及びメタノール抽出物を調製し,それらの主含有成分を明らかにした.それらの情報を基に,散剤4種(当帰芍薬散,加味逍遙散,五苓散,抑肝散),丸剤2種(桂枝茯苓丸,八味地黄丸)の熱水及びメタノール抽出物についてのHPLCを用いた成分分析を行い比較することで,散剤及び丸剤とエキス製剤の含有成分の差異を考察した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
漢方処方のうち散剤や丸剤は,本来は粉砕した生薬をそのまま混合あるいは成形して用いるが,現在の医療用漢方製剤ではすべて熱水抽出されたエキスを製剤化したものが用いられている.生薬の熱水抽出物では生薬に含まれる高極性化合物のみが溶出していること,及び熱処理の過程で含有成分の分解が想定されるが,その詳細についての検討は乏しい現状がある.そのため,まず各生薬の熱水抽出物の成分分析を行い,そこで得られた情報を基に漢方処方の熱水抽出物とメタノール抽出物の成分分析及び成分比較を行うことで,漢方の薬効理解のための基礎的な資料とすることを目的とする.
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