研究課題/領域番号 |
19K07147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 広島文教大学 (2021) 広島大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
木下 英司 広島文教大学, 人間科学部, 教授 (80304418)
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研究分担者 |
江口 陽子 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (30757422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フォスタグ / リン酸化タンパク質 / ヒスチジンキナーゼ / ヒスチジンキナーゼ阻害剤 / waldiomycin / Phos-tag Aqua / ドットブロット法 / Phos-tag Magenta / Phos-tag Cyan / 蛍光ゲル染色剤 / リン酸化 / 2成分系 / 情報伝達分子 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,細菌に特有の2成分情報伝達分子であるヒスチジンキナーゼを標的とした抗菌薬の探索が国内外で進められている。ヒスチジンのリン酸化を介して生理活性を担うこの分子は,ヒスチジンのリン酸結合の脆弱性のために分析法が限られていた。申請者らは,独自に開発したリン酸基捕捉分子,フォスタグを用いたヒスチジンキナーゼのリン酸化定量電気泳動法を考案しており,本法はキナーゼ阻害剤のプロファイリングにも有用である。また,ヒスチジンキナーゼ阻害剤として有能な低分子化合物も幾つか見出している。そこで本研究では,それらを基盤とすることで,ハイスループット性を加味した新たなヒスチジンキナーゼアッセイ法を創出する。
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研究成果の概要 |
研究代表者はフォスタグに蛍光分子を標識した蛍光フォスタグを合成し,この蛍光フォスタグをゲル染色剤として用いることで,細菌由来のヒスチジンリン酸化タンパク質のリン酸化プロファイリングに成功した。さらに,フォスタグ蛍光ゲル染色剤の1つであるPhos-tag Aquaを用いてブロット膜上のリン酸化タンパク質の検出を試みた結果,ブロット膜上にドットブロットされた細菌由来のヒスチジンキナーゼを選択的に視覚化する方法を開発することに成功した。Phos-tag Aquaを用いたドットブロット染色法は,細菌由来のヒスチジンキナーゼアッセイや細菌のキナーゼ阻害剤の評価に有用であることが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症治療薬について,病原菌特有のヒスチジンキナーゼ阻害薬が,次世代の抗生物質として注目されつつある。しかし,病原菌のヒスチジンキナーゼは化学的に不安定で短寿命なリン酸化タンパク質を生成する性質があり,阻害薬としての候補化合物を検証する方法が限られていた。本研究では,そのような不安定なリン酸化タンパク質を高感度に定量分析するための蛍光標識型分子デバイスを創出し,それを応用することで,病原菌特有のヒスチジンキナーゼ阻害薬を探索すべく多検体処理能力に秀でた高速スクリーニングシステム開発の可能性を証明できたことはとても意義深い。本手法が今後のこの分野におけるブレイクスルーになることを期待する。
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