研究課題/領域番号 |
19K07149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
牧野 利明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80326561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ブシ / サルコペニア / ユビキチンリガーゼ / ヒゲナミン / サルソリノール / 牛車腎気丸 / Sirtuin遺伝子1 / 車前子 / 沢瀉 / 茯苓 / 附子 / シャゼンシ |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会を迎えるにあたり、現代医療の中で老年症候群への対応が求められ、その代表的な疾患としてサルコペニアをと取り上げる。これまで申請者は、そのような症状は漢方医学での「腎虚」に相当すると考え、代表的な処方である牛車腎気丸の有用性を臨床および動物実験で認め、その筋萎縮抑制作用を担う生薬を見いだしてきた。そこで本研究では、それらから作用を担う有効成分を単離同定し、それらを指標成分として利用、それらの含量の高い生薬を原料とすることで、より有用性の高い牛車腎気丸製剤を開発すること、また得られた成分の作用機序を明らかにすることで基礎的なエビデンスを与え、製剤の利便性を高めることを目指す。
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研究成果の概要 |
漢方薬である牛車腎気丸の骨格筋委縮抑制作用を担う成分を、muscle RING-Finger Protein-1 (MuRF1) の転写抑制作用を指標にマウス横紋筋由来株化細胞であるC2C12細胞を用いて探索し、ブシの熱水抽出エキスにその活性があることを見いだした。さらにそこから有効成分の分離を試み、ヒゲナミンとサルソリノールを単離し、それぞれのIC50値は0.49 μMと50 μMであった。日本で市販されているブシ製剤中のそれらの含量には、大きなバラツキを認めた。ブシを筋萎縮に使用する時には、これらの化合物の含量が高いブシを選択することで、より高い効果が期待できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
漢方薬、牛車腎気丸が、高齢に伴う筋肉の萎縮を主な症状とするサルコペニアに対して有用であることの科学的根拠を示すととともに、その有効成分としてブシの役割を明らかにした。また、ブシに含まれる有効性を担う化合物としてヒゲナミンとサルソリノールを単離、同定し、それら化合物の含量がブシまたは牛車腎気丸の有効性を保証する指標成分として、製剤の品質を管理する際に利用できることを示した。
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