研究課題/領域番号 |
19K07153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 哲史 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (40449004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵臓がん / エクソソーム / 転移 / スクリーニング / 漢方薬 |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓がんは予後が非常に悪く、転移機構を解明し、これらを防ぐ薬物療法の確立が必要である。本研究では、転移能を有する膵臓がん細胞を生体内に近い形で培養できる3D培養系という特殊な培養系で培養する。この培養膵臓がん細胞を使用し、膵臓がん転移に重要だと考えられる転移を制御する因子の探索を行う。本研究では特に、がん細胞から分泌される小胞物質であるエクソソームに注目し、検討を行う。有力な転移制御因子を同定した後、これらの機能を標的として、転移を抑制する物質を漢方薬の中から探索する。
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研究成果の概要 |
膵臓がん細胞の3D培養系による遺伝子解析により、膵臓がんの転移に関与するPSCAと同様な分子発現パターンを示す因子としてMUC1が同定された。このMUC1はPSCAにより発現制御されることも示され、PSCA同様、膵臓がん患者の予後不良予測因子であることも明らかとなった。さらに、膵臓がん細胞を用いたエクソソームの表面マーカーを指標とした量的評価系、並びにエクソソーム含有EPS8を指標にしたエクソソームの質的評価系の構築に必要なベクターセットの構築を行なった。実際にCD63末端に発光タンパク質を導入した細胞株の樹立を行い、本細胞株によりエクソソーム生成を定量的に評価できることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵臓がんは未だ予後不良のがんであり、その治療も限られている。新たな治療法の開発が必要であり、その標的因子の探索は重要な研究テーマである。本研究では、近年、臨床を比較的に反映していると評価されている3D培養を用いて、新たな視点から膵臓がんの転移・悪性化制御因子の同定を行なった。また、膵臓がん転移に重要なエクソソームについて、質的・量的な活性評価を3D培養細胞で行うことが可能な技術開発を行なった。また、活性評価系に適した漢方薬のライブラリー作製も行なった。本成果により、新たな観点に基づいた漢方薬による膵臓がん治療の可能性について、評価可能となったものと考えられる。
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