研究課題/領域番号 |
19K07157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
山崎 洋子 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 研究員 (80342690)
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研究分担者 |
百瀬 功 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 主席研究員 (10270547)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 合成致死 / c-Myc / 乳がん / c-myc / cーmyc |
研究開始時の研究の概要 |
c-Mycの過剰発現や過剰活性化はヒトのがんで高頻度にみとめられ、ドライバー遺伝子(がんの発生・進展において直接的に重要な役割を果たす遺伝子)として機能している。本研究ではc-Mycと合成致死を示す低分子化合物の発見を目指して、乳がん細胞株を用いて合成致死スクリーニングを行ない、微生物代謝産物からの新たな抗がん剤の創出を目指す。乳がんは比較的予後の良いがんであるが、遠隔再発や遠隔転移が起こると治療は非常に困難である。本研究により創出されたc-Mycと合成致死を示す化合物は乳がん患者に新たな治療薬を提供できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
c-Mycの過剰発現や過剰活性化はヒトのがんで高頻度にみとめられ、多くのがんでドライバーとして機能している。しかしながら、c-Mycはアンドラッガブルターゲットとされており、その機能をダイレクトに阻害することは依然として極めて困難である。申請者らは、c-Mycと合成致死を示す低分子化合物の発見を目指して、乳がん細胞株を用いた合成致死スクリーニング系を構築し、1万種類以上の微生物培養液および化合物をスクリーニングした。その結果、本研究所で合成されたTriQuinoline(TQ)がc-Myc発現量に依存した細胞毒性を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳がんは年々罹患率が増加しており、日本では約8人に1人が生涯で乳がんに罹患する。乳がんは遠隔再発や遠隔転移が起こると治療は非常に困難であり、現在のところ完治する可能性は極めて低い。若年性の乳がんはトリプルネガティブ乳がんの割合が有意に高く、トリプルネガティブ乳がんにおける特徴としてc-Mycの高発現が見られるという報告がある。本研究はこれまで標的として創薬が困難であったc-Mycを利用した創薬研究であり、探索研究から有望な低分子化合物であるTriQuinoline(TQ)を発見した。今後、TQをシーズとした創薬開発を行うことにより新しい機序の抗がん剤を乳がん患者に提供できる可能性がある。
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