研究課題/領域番号 |
19K07158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本間 真人 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エルトロンボパグ / 血清濃度 / 肝機能障害 / 特発性血小板減少性紫斑病 / 血中濃度 / TDM / 治療薬物モニタリング / HPLC / 血小板増加効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、指定難病の特発性血小板減少性紫斑病と再生不良性貧血に投与する経口血小板増加薬(エルトロンボパグ:ETP)の適正使用に、薬物血中濃度測定(TDM)を適用し、その有用性を検証するものである。 ETPの血小板増加効果には個人差があるが、その原因は明らかでない。申請者は、薬剤の吸収や代謝によって生じる血中ETP濃度の違いが効果の個人差と関連していると考えている。また、ETPには重篤な副作用(過量投与による血栓塞栓症と急激な減量に伴う出血、肝機能障害)が知られており、これらの副作用発症も血中濃度に依存しているのであれば、TDMの適用によ未然に防ぐことが可能であり、より安全な使用が実現する。
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研究成果の概要 |
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療に用いるエルトロンボパグ(EPAG)の血清濃度と、副作用である肝障害の発現との関連を検討した。ITP患者49名(男/女: 14/35、57.5±22.4歳)のうち、EPAG投与後、22名(45%)にGrade 1 以上(CTCAE)の肝障害を認めた。肝障害を認めた患者の血清EPAG濃度は、肝障害がなかった患者と比較して有意に高かった(中央値:1.3 vs. 2.5 μg/mL, p<0.01)。ROC解析から、肝障害の発現リスクが高まる血中EPAG濃度は2.9 μg/mL以上と推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対するエルとトンボパグ(EPAG)治療は、副作用である肝障害の発現により投与継続が困難となることがしばしば臨床上の問題となっている。本研究によってEPAG投与中に誘発される肝障害は、血清EPAG濃度と関係しており、血清濃度のトラフ値が2.9 μg/mL以上となると発現リスクが高まると推定された。ITP患者に対してEPAGを投与する場合は、血清EPAG濃度(トラフ値)をモニタリングしながら2.9 μg/mLを超えないよう用量調節を行うこと(TDM)により、肝障害を回避できると考えられ、より安全で効果的なEPAG治療の実現が期待される。
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