研究課題/領域番号 |
19K07191
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 和宏 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30610349)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 間質性肺疾患 / 分子標的治療薬 / mTOR / ILD / mTOR阻害薬 / STAT3 / 上皮間葉転換 / EMT / everolimus / エベロリムス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、分子標的治療薬による間質性肺疾患 (ILD)の事前予測因子、モニタリングバイオマーカーを確立すると共に、新規治療・予防法を探索し、ILDの分子メカニズムに基づく新規予防戦略を構築することを目的とし、基礎・臨床の両面から多角的な検討を行う。 基礎研究では、細胞株を用いた検討によりモニタリングマーカー、予防・治療薬となり得る化合物の探索を行う。 臨床研究では、基礎研究で得られたモニタリングバイオマーカーの臨床的有用性を評価するための前向き検証的臨床研究を行う。
|
研究成果の概要 |
Signal transducer and activator of transcription 3 (STAT3)の特定の遺伝子多型を有する患者群は、mammalian target of rapamycin (mTOR)阻害薬による間質性肺疾患の累積発症率が高いことを明らかにした。また、低リスク遺伝子型を有する肺胞上皮細胞株A549細胞は、エベロリムスを長期曝露することにより組織線維化の初期過程である上皮間葉転換(EMT)が誘導されるとともに、CXCL2の発現低下、Aktの活性亢進が認められた。これらの分子変動がILDの発現予防戦略において重要な知見となる可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によりSTAT3遺伝子多型とmTOR阻害薬による間質性肺疾患との関連を明らかにし、STAT3遺伝子多型が間質性肺疾患の事前予測因子となる可能性を示した。この関連が詳細に検証され、検査として臨床応用された場合、本研究成果は分子標的型抗がん薬による間質性肺疾患の死亡者数の減少やmTOR阻害薬治療患者のQOLの向上に加え、mTOR阻害薬の治療成績の向上にも寄与する。また、mTOR阻害薬の長期曝露により生じる組織線維化の初期過程に寄与する分子を特定した。この分子の間質性肺疾患の発症における役割を詳細に解析することで、間質性肺疾患のメカニズムに基づく予防法を確立することができる。
|