研究課題
基盤研究(C)
フラビン含有酸素添加酵素による代謝を受ける医薬品および化学物質を投与し、各種実験動物における血中化学物質濃度およびその代謝物濃度を測定し、その実測値をコンピューター上で再現する生理学的薬物動態モデルの構築を行う。さらに、薬物代謝酵素活性変動要因の検討を行う。フラビン含有酸素添加酵素が介する医薬品と化学物質の体内動態をヒト型モデル動物を用いて評価し、酵素基質や阻害薬共存下のヒト体内薬物動態予測へ応用することを目指す。
フラビン含有酸素添加酵素(FMO)は化学物質、食品由来成分および医薬品などの窒素および硫黄原子への酸素添加反応を触媒する。ヒトFMO基質となる医薬品の消失に影響する因子に関する情報は十分ではない。本研究ではヒト肝細胞を移植されたヒト化マウスや非ヒト霊長類モデル動物を用いて化学物質の体内動態の評価を行った。ヒト肝移植マウスを用いた結果、生体内におけるFMO基質医薬品と食品由来FMO基質による相互作用の可能性は限定的であることが推察された。FMO3遺伝子変異が既知のカニクイザルを用いた食品由来FMO基質の体内動態はFMO3遺伝子型だけではなく、その量も影響していることが推察された。
本研究は、ヒト型モデル動物を用いて生体内でFMO基質の体内動態に影響する因子を評価する点に学術的意義がある。医薬品開発で用いられている実験動物の肝および腎のFMO各分子種の情報は少なく、FMOが消失に関与する薬物の体内動態の詳細を明らかにすることは、新たな医薬品開発におけるFMOの代謝を考察する上で意義深いと考える。食品由来成分との相互作用は日常での医薬品の適正使用に対して基盤となる情報として期待できる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件) 学会発表 (8件)
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