研究課題/領域番号 |
19K07208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
小笠原 裕樹 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20231219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | カルボニルストレス / 統合失調症 / モデルマウス / メチルグリオキサール / MG-H1 / 糖化 / クレチンキナーゼ / 海馬 / 翻訳後修飾 / プロテオミクス / 治療抵抗性統合失調症 / carbonyl stress / methylglyoxal / カルボニル化タンパク質 / glycation |
研究開始時の研究の概要 |
治療抵抗性に分類されるカルボニルストレス性統合失調症の発症機序は未だ不明である。本研究では、当該患者に、より近しい状態を模倣した疾患特異的なモデリング系において、MGOの病態発症への関与を検証する。 具体的には① MGOの代謝酵素を欠損させ、MGO消去作用を持つビタミンB6の摂取を制限したマウスと②当該患者由来のiPS細胞から分化誘導した神経系細胞を用い、MGOを前駆体として生じる脳内糖化タンパク質を同定すると共に、糖化によるタンパク質の変性や機能の変化を見出し、発症に至る機序の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
カルボニルストレス性統合失調症(CS-SCZ)モデルマウスの構築に成功し、その脳の海馬や前頭前皮質及び側坐核におけるメチルグリオキサール(MGO)濃度の有意な上昇を明らかにした。次いで、MGOが増大しているモデルマウスの海馬において、7種のMGOを前駆体としてアルギニン残基の修飾によって生じる、メチルグリオキサールハイドロイミダゾロン(MG-H1)化タンパク質の蓄積を証明した。 従って、CS-SCZ患者の海馬におけるMG-H1化タンパク質の蓄積に伴う統合失調症様行動を解析し、それらの相関関係を明らかにすることで、本研究成果を基礎としたCS-SCZ発症機序解明に繋がる展開が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現段階においては、カルボニルストレス性統合失調症におけるAGEsの脳内蓄積と、その発症機序への関与は不明であるが、今後、in vivo ノックダウン等の手法により、本研究で見出された、マウス海馬において糖化の亢進が認められたCK-mitを含む7種タンパク質の統合失調症様行動への関与を検証することにより、発症機序解明の糸口を見出すことが望まれる。更に、本研究を起点とするリバーストランスレーショナルな展開として、より特異的にMGOを無毒化して糖化を抑制することを作用機序とする、カルボニルストレス性疾患の新しい治療薬が開発される可能性がある。
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