研究課題/領域番号 |
19K07217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
崔 吉道 金沢大学, 附属病院, 教授 (40262589)
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研究分担者 |
嶋田 努 金沢大学, 附属病院, 准教授 (90409384)
藤田 有美 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (50876026)
赤下 学 帝京大学, 薬学部, 助教 (90781542)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 薬物体内動態 / 加齢変化 / 高齢者総合的機能評価 / 個の医療 / 高齢者総合機能評価 / 体内動態変動 / バンコマイシン / 老化モデル / 腎機能 / 加齢 / 薬物動態 / 老化 / 医薬品副作用 / 適正使用 |
研究開始時の研究の概要 |
第一に、院内の電子カルテの症例を再解析して、腎機能およびその他の臓器機能低下の個人間変動の大きさを再評価する。 第二に、各症例について、臨床的に用いられる様々な患者機能評価指標を用いた活動度で再評価して、加齢による腎機能低下の個人間変動について説明が可能かを検討する。 第三に、加齢による薬物体内動態変動との相関性について、暦年齢と患者機能評価による活動度スコアのいずれとの相関性が優れているのかを検討する。 第四に、活動度を軸とした動態変動予測をもとに投与設計を行うことによる薬物動態の予測性、薬物療法の効果、安全性(副作用回避)、患者QOLの向上について臨床的なインパクトを前向きに評価する。
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研究成果の概要 |
本研究は高齢者の薬物体内動態変動予測の高齢者総合機能評価(CGA)の有用性を腎排泄型薬剤をモデルに入院患者のTDMデータを用いて検証した。定常状態トラフ血中濃度を投与量で補正したC/D比について、暦年齢、腎機能検査値および各種CGAとの相関性を評価したところCockcroft-Gault式で求めたクレアチニンクリアランスが最も相関していた。CCI、CACI、ECI、BI等のCGAはいずれも単独で有意な相関は見られなかった。fTRSTはやや高い相関を示したが暦年齢に勝ることはなかった。今後、より良い指標を得るために年齢に加えて各種CGAの構成要素の組み合わせを検討する必要があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、高齢者の薬物療法の最適化にある。薬物体内動態への加齢の影響についての従来の研究は、暦年齢を横軸とした評価に限定され、薬剤学領域の教科書において腎機能の低下以外について充分な記述がないのが現状である。臨床的な活動度の指標である高齢者総合的機能評価(CGA)の薬物動態の加齢変化の指標としての有用性が明らかとなれば、教科書を書き換える成果となる。加齢による薬物動態変動の予測精度が向上し、それを踏まえて患者個々に最適な薬剤投与設計による副作用回避の戦略を樹立することで、臨床成績の向上と患者のQOL向上に寄与することは、学術的かつ社会的な意義がある。
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