研究課題/領域番号 |
19K07240
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
下田 浩 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 立体組織 / 微小循環系 / 血管網 / リンパ管網 / 生体移植 / 移植 / 三次元ヒト生体組織 / 血管・リンパ管網 / 微小循環 |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療の技術開発において立体組織の開発・応用が近年求められている。立体組織創製の最重要課題である組織内部への脈管網の導入について申請者らは血管・リンパ管網を自己組織化させる立体組織構築技術を独自に開発しているが、その脈管網内蔵立体組織の生体移植における微小循環系の形成メカニズムは全く不明であり、立体組織の医療応用実現化にはその解明が不可欠である。この課題の解決のために本研究は分子形態学・生物学的手法を用いて、生体―移植立体組織間微小循環系形成のセルダイナミズムとイベント制御機構の解明を行う。本研究成果は再生医療材料の開発研究促進と生体組織適応機構の解明に必要な知的基盤を提供する。
|
研究実績の概要 |
ヌードマウス皮下に移植された血管、リンパ管網内蔵ヒト立体組織における微小循環系の形成メカニズムについて分子形態学的解析を進めている。 生体移植された血管網内蔵立体組織は移植3日後から移植片の両者から血管新生により宿主(マウス)の血管内皮細胞と移植片(ヒト)の血管内皮細胞がモザイク状に混在する新たな微小血管網が形成され、移植片内に血流が成立した。これにより移植されたヒト血管網はさらに血管新生を進展させるが、移植後14-21日にかえて次第に移植片の血管網にリモデリングが生じ、移植片内のヒト血管網は解体され、宿主と移植片の血管内皮が混在・共存する新しい血管網に置き換えられた。現在そのリモデリング機構とVEGF-A-VEGFR2系およびAngiopoietin-1, 2-Tie1, 2系を中心に分子シグナルの変容について解析を進めている。 また、リンパ管網内蔵立体組織の移植については、中間型リンパ管成長因子の徐放性投与を行うドラッグデリバリーシステム(DDS)と人工コラーゲンによる足場の構築を行い、生体移植を行ったところ、宿主由来のリンパ管新生と血管新生が移植片内に誘導された。しかし、宿主由来新生リンパ管のネットワークは解体され、フリーとなったリンパ管内皮細胞が遊走しながら移植片内のヒトリンパ管内皮に組み込まれてしまい、新たなリンパ微小循環網の形成には至らなかった。足場の形態の長期形態維持が困難であったこととDDSによる微小環境内のリンパ管新生因子の攪乱がその原因と考えられたことから、長期培養可能で生体因子の透過性に優れるアテロコラーゲンを足場に用いた新たなリンパ管網内蔵立体組織の生体移植実験を現在行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
血管・リンパ管網内蔵立体組織と移植モデルの作製に必須となる培養器具と試薬が昨年度よりコロナ禍のために調達できなくなっていたために研究の進行が計画より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による物品の調達については、コロナ禍がほぼ沈静し、リンパ管内蔵立体組織移植材料の作製に必要な生体コラーゲンをはじめとする物品の調達が可能となってきたことから今後の研究推進は可能である。
|