研究課題/領域番号 |
19K07241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
多鹿 友喜 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90400738)
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研究分担者 |
池澤 麻衣子 (高橋麻衣子 / 高橋 麻衣子 / 池澤麻衣子) 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (50701322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 3Dイメージング / CoMBI / マウス胚 / ノックアウトマウス / 形態解析 / 相関型形態解析 / VAMP5 / 小胞輸送 / SNARE蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
CoMBI ( Correlative Microscopy and Block-face Imaging)は、連続ブロック面撮影法をベースとし、独自開発した新しい3Dイメージング法でり、同一の凍結ブロック標本から3Dデータと凍結切片の両方を得られることを最大の特徴とする。本研究では、より小さな組織(1~5 mm)にも適用できる新型のCoMBI装置を開発する。ノックアウトマウス胚の表現型解析のほか、哺乳類、両生類、魚類の多様な組織で3D形態解析を行うと同時に、目的分子の分布情報を付与したり、由来位置情報をもった切片解析も行い、信頼性の高い形態解析を実現する。
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研究実績の概要 |
2022年度において、本研究で開発したCoMBI装置と以前に開発したCoMBI装置もあわせて、総説を出版した(Tajika et al, Anatomical Science International 2023 Feb, in press)。この総説では装置の紹介にくわえて、3Dデータの例として、生体標本が持つ本来の色を利用したフルカラー3D形態解析の例や、マウス胚におけるVAMP5の3D分布を捉えることに成功した例を示せた。 VAMP5は細胞内小胞輸送を制御する分子であり、成体マウスでは心筋や骨格筋などに発現することが分かっていた。開発したCoMBI装置を使って、VAMP5のマウス胚における発現パターンを3Dで解析することを進めている。VAMP5は、VAMP5は従来成体では知られていた心臓などでの発現以外にも、多様で特徴的な組織にも発現する分布を示すことが分かった。現在組織種や発生段階による発現の違いについて調べている。また、成体マウスではVAMP5は骨格筋でで発現していたものの、胚の体節や骨格筋にはVAMP5が発現しないことが分かった。すくなくとも調査した中期から後期発生にかけては骨格筋に発現しなかった。 CoMBIを用いた共同研究に取り組み、パラフィンブロックにおける3D描出法を開発し、論文発表した(Sutrisno AA, et al., Development Growth and Differentiation 2023 Jan;65(1):56-64)。CoMBIの利用拡大につながることが期待される。また、CoMBIのセンサー改良に取り組み、そのプロトタイプを学会発表した(第45回 日本分子生物学会、第7回 ユニーク会)。より多くのミクロトームに適合するような改良であり、CoMBI装置を導入のしやすくなることが期待される。学会発表をとおして、新たな共同研究がスタートした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年4月に国立大学法人群馬大学大学院医学系研究科より、群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部へと異動したことに伴い、年度末から研究室の移転作業に追われ研究はやや遅延したものの、年度全体では順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、VAMP5-LacZの青い色素をCoMBIで撮影することによって、VAMP5がマウス胚において発現する場所を3Dで捉えることができた。しかしながら組織種について心臓や肝臓など形状が明確な組織であれば、特定が容易であるが、間質における青色色素の集積は特定できていない。そこで、マウス胚標本やマウス成体の各種組織を採取して保管している。今後、発現する組織や細胞を特定するために、切片を用いて顕微鏡で観察し、これまでに得た3Dデータと相関させる。 2022年度だけでも、CoMBIを使用する共同研究が新たに5件開始された。また従来からのCoMBIを用いた共同研究3件では、2件でCoMBIが稼働し、1件は論文の投稿準備中である。このような共同研究におけるCoMBI技術支援や執筆協力に取り組む。技術支援では現地への出張を予定するとともに、Zoomなどのオンラインツールも活用することで、経費の節約にもつとめる。
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