研究課題/領域番号 |
19K07242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中村 和裕 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10327835)
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研究分担者 |
川崎 平康 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 研究員 (00363268)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ポリグルタミン病 / 赤外顕微鏡 / ポリグルタミン / 赤外自由電子レーザー / 構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリグルタミン病は構造変化したたんぱくが神経変性を起こし、神経細胞が死に至る病気である。たんぱくが構造変化を起こした時には、そのたんぱく内の原子間結合が変化している。過去の研究で、ポリグルタミンペプチドではなく組織内ポリグルタミンの原子間結合は解明されていない。本研究では、ポリグルタミン病モデルマウスおよび剖検脳組織内のポリグルタミンアミロイドの原子間結合を赤外顕微鏡を使って解析する。
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研究成果の概要 |
凝集を解離することは理論上ポリグルタミン病の病態改善に結びつく。私は過去の研究で凝集ポリグルタミンに特定の波長の中赤外レーザーを照射することにより凝集が解離することを見いだした。本研究課題では、ポリグルタミンペプチド、マウス脳切片中のポリグルタミンペプチドを用いた赤外顕微鏡解析で波数3000付近のスペクトルのピークを調べた結果、水素結合の結合状態がポリグルタミン凝集体では変化していた。また、レーザー照射によりその変化が解除されたという結果を得た。以上の結果は、レーザーによる凝集解離の機序はベータシートを構成する水素結合の切断であることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリグルタミン病の病因は、神経細胞内でポリグルタミンを含むタンパクが異常凝集し、それが神経細胞に対して毒性を発揮して神経細胞機能異常、神経細胞死をひきおこすことである。現在まで有効な治療法は開発されていない。 中赤外領域の自由電子レーザーが凝集を解離することはわかっていたが、それはベータシート間の水素結合切断がもたらすものであることが今回の研究で明らかにされた。今回、その機序を明らかにした事は、自由電子レーザーをポリグルタミン病の治療に応用するための技術的進歩を待つことの理由となる。
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